2008.08.08
【父親術 067】お絵描き、大好き!(上)
子どもが育つ“父親術” 第067号(2008/08/08)
◇◆ お絵描き、大好き!(上) ◆◇
子どもが、集中して絵を描いています。
そして完成した絵を持ってきて、「パパ、見て!」
今週は、こんな場面でどのように子どもに接するかに
ついてお話しします。
もちろん、子どもとの接し方に明確な「正解」「不正解」
があるわけではありません。
しかし、「親がどう反応するか/何と言うか」によって
「子どもが何を感じるか/どんなメッセージを受け取るか」が
決まることは、紛れもない事実です。
親として子どもに何を伝えたいかは人それぞれで良いと
思います。
ですが、「その『伝えたいこと』を確実に伝えるために
どう反応すれば/何と言えば良いか」について理解を
深めることは、どんな価値観を持つかに関係なく意味ある
ことだとも思います。
ここでひとつ気に留めておいておきたいのは、この
「絵を見る」コミュニケーションでは、必ず同時に
2つのメッセージが伝わる点です。
つまり「自分の絵をどう見てもらえたか」の返事メッセージ
だけでなく、「他人の作品を見た時に、どのように鑑賞
するか」の見本メッセージも、必然的に伝わるということ
です。
可能な限り、この両方の側面でどのようなメッセージを
伝えることになるかを考慮したうえで、振る舞いを決めたい
ところです。
(1)批判する
「批判する」と書いてあるのを読めば、誰しも「自分は
批判なんかしてない」と思うでしょう。
実際に、親が批判することで子どもに伝わるメッセージは、
―大好きなお絵描きをすると、親から自分の下手な点を
指摘される。
加えて、
―作品を見たら、欠点を見つけて批判する
との“鑑賞姿勢”もメッセージとして伝わります。
こうしたメッセージを子どもに伝えたいと考えている方は、
多くはないですよね。
(2)褒める
以前にどこかで「まずは褒めて、そのうえで改善点を
アドバイスしましょう」といった趣旨のものを読んだ
ことがあります。ですが、この考え方、私は個人的には
賛同していません。
褒めることで伝わるのは、
―大好きな絵を描くと、親に褒めてもらえる。
というメッセージ。褒めてもらえることは子どもにとって
うれしいことなので、
『絵を描く』→『うれしい』となっていて一見良いリンクに
思えます。
ですが、『うれしい』の中身に微妙なズレがあることに、
問題が潜んでいるのです。
どういうことかと言うと、このスタイルが習慣化すると、
もともと『絵を描くのが大好き』だったものを『絵を描いて
褒めてもらうのが大好き』へと、子どもの動機を塗り
替えてしまう恐れがある、ということです。
鑑賞姿勢の面としては、
―作品の良い点を見つけて褒める
というのは特に悪くないかも知れません。
ですが、私は子どもの内発的な動機・意欲・好奇心を
特に大切に考えているので、積極的に褒めることはして
いませんし、お勧めもしません。
(3)共感する
「絵に共感する」って、具体的にどうするか見当つきますか?
そんなに難しいことではないのでご安心を。子どもの話に
共感するのと同じで、子どもが発したままを受け取って、
「受け取ったよ。」と言ってあげればOKです。
「へぇ〜、お花がいっぱい並んでいるところを描いたんだね。
あ、蝶々も飛んできたんだ!」
「消防車を描いたんだね。パトカーも応援に来てるのが
わかるよ!」
親に共感してもらうことで、子どもは
―大好きな絵を描くと、親に絵を描く楽しさを認めてもらえる
とのメッセージを受け取ります。そして、内から湧き出る
「絵を描きたい」という動機を安心して肯定的に受け止め、
その後も絵を描く楽しさを満喫できるようになります。
それに加えて、シンプルに共感してあげるだけで
―自分の表現したものが伝わった
という自信が少しずつ養われることも、うれしい点です。
鑑賞姿勢の面でも、
―作品をあるがまま見て、感じる
というメッセージが伝わるのは、悪くないですよね。
できる方は、さらに踏み込んだ“共感”をするのも良い
でしょう。
描かれたものを受け止めるだけでなく、描いた子の思い
まで察して、受け止めて、受け止めたことを言葉で返して
あげるのは、子どもにとって大きな励みになります。
―絵を描くことで、自分の思いを表現して、人に伝える
ことができる!
との体験を、子どもは受け取ることができるからです。
同時に、
―作品をあるがまま見て、感じて、作者が感じていたことに
思いを馳せる
との鑑賞姿勢も、とても素敵です。
長くなったので、続きは来週に。
(4)は、とっておきのお勧めアイデアです。
お楽しみに!
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今週もお付き合いいただきありがとうございました。
いろいろな事例を通じて、皆さんと一緒に進歩していけたら
嬉しいです。
それではまた、来週!
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