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鶴原顕央の【映画批評と物語構成論】


2008.06.16

映画批評0064「HOT FUZZ/ホット・ファズ」(その2)


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■□映画批評と物語構成論0064□■



 前回に引きつづき……

    『HOT FUZZ/ホット・ファズ─俺たちスーパーポリスメン!─』
         Hot Fuzz (07) 


◇ ◇

 切れ者すぎて上司に嫌われ、田舎町に左遷されてしまった警察官のニコラ
ス・エンジェルは、アクション映画マニアの同僚ダニーと知り合い、いやい
やながらも彼とパートナーを組む。
 田舎での日常業務は平凡で退屈極まりないものだったが、とある事故の「事
件性」をニコラスが直感したのをきっかけにして、2人は平和な田舎町に隠
された巨大な陰謀と対峙することになる……。

 ……というのが『ホット・ファズ』の粗筋です。

 大真面目な物語設定のなかで、大真面目に行動する──ただそれだけの話
なのに「アクション映画のモノマネ」という要素が入るだけで途端にコメディ
としてユニークな作品になる。
 前作『ショーン・オブ・ザ・デッド』もそうでしたが、大真面目にオマー
ジュを捧げる──それがエドガー・ライト&サイモン・ペグ作品の面白さで
す。


 ところで、切れ者の主人公が善人の皮をかぶった町の有力者と対決する展
開は(偶然にも)『少林少女』に良く似ています。


    ●コメディなのに
    ●悪と闘う


「コメディ」と「悪と闘う」という2つの要素は一見すると相反しているよ
うに感じられます。
 しかも登場する悪役は両作品ともに「残忍」で「冷酷」です。
 その設定はもはやコメディではありません。
 しかしながらこれらの作品は「コメディ」のなかでも「アクションコメディ」
に細分される映画ですから、コメディだけではなしに、アクションの要素を
入れる必要があったわけです。


    ●コメディなのに
    +悪と闘う(=アクション)
    =アクションコメディ


 図式化してしまえば当たり前。
 アクションをする以上はアクションコメディには闘うべき正当な理由──
「残忍で冷酷」な「倒すべき相手」の存在が不可欠なのです。

 ではアクションコメディには「残忍で冷酷な悪役」が必ずしも必要なのか?
というと実はそうでもない。

 コメディの奥深さは(物語の根拠をどこに置くかによっては)「残忍で冷
酷な悪役」を必ずしも必要とはしないはずのです!


◆ ◆ ◆

   ……ということで次回は
       (『少林少女』と『ホット・ファズ』を参照しつつ)
         『ザ・マジックアワー』の物語設定を検証します!!!

     Point:物語の根拠をどこに置くか?


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■□                              □■


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