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メルマガで完全マスター! 宅建過去問一問一答


2008.05.24

メルマガで完全マスター! 宅建過去問1問1答


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○●○ メルマガで完全マスター! 宅建過去問1問1答 ○●○



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     【2008年第14号】2008/05/24(通算第27号)
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                           〓〓〓 本試験まであと148日



 こんにちは,宅建キャリア協会の井上成人です。

 
 さわやかな五月晴れの日々が続いてますが,勉強の進み具合はど
うですか ?

 3月22日から20年合格対策用の『1問1答』を発行して,も
う2カ月が経ちました。はやいものですね〜。

 読者のみなさんも,勉強の要領というか,リズムというか,そろ
そろ自分なりのスタイルが定着してきたと思います。

 勉強をしていると,時おり孤独感に陥ったり,スランプになった
りと,いろんな場面に遭遇しますが,あまり「その日の気分」を重
視しないことが大切です。

 「気分」が良くてもすぐれなくても,「淡々とスケジュールをや
る」ってことですね。

 でっ,どうしても頭が働かないなら,思い切って気分転換を図る
のもグ〜です。



 さて,今回は,《債権譲渡》《弁済》《相殺》です。

 平成1年から19年までの出題数は──
 《債権譲渡》  5問
 《弁 済》   5問 
 《相 殺》   3問 となっています。
 
 微妙な問題数ですね。


 《債権譲渡》は,昨年出題されましたから,今年は見送りだと思
います。

 昨年は,最新の判例知識が問われて難問でした,っていうか,こ
こまで勉強した人いるんですか〜 ? って感じ。

 出題者は何を考えてるんでしょうか。民法で満点をとらせたくな
いんですかねえ〜。

 まっそれでも,選択肢3がわりと基本的な問題でしたので,判例
知識がなくても正解できた可能性はあるとは思いますが……。

 択一式のグ〜!なところは,「消去法」が使えることです。
 「3」が正解ではないだろうかと気づけば,1,2,4が超難問
でも,1点取れちゃいますからね。

 「基本の大切さ」を教えてくれる問題ではありました。


 《債権譲渡》《弁済》《相殺》はかなり難しいところですが,基
本だけはしっかり確認しておきましょう。




 ♪ ティーブレイク ──「民法に強くなるとっておきの方法」♪


 [ので,から説]── 以前にも紹介しましたが……


 民法は「結論だけ」を覚えても,試験にはあまり役に立ちません。


 「詐欺による取消しは,善意の第三者に対抗することができない」
 「強迫による取消しは,善意の第三者にも対抗することができる」

 この「結論だけ」を丸暗記しても,時間が経つとスッカリ忘れて
しまいます。覚えることが多いですからね。

 「結論だけ」を覚える勉強方法では,民法で合格点をとるのは,
120%ムリです!


 市販のテキスト類には,民法は「制度趣旨や理由を考えながら読
みなさい」などと書かれています。

 ま〜,それはそうなんですけど。 

 じゃあ,どうすりゃいいの ? って話です。

 確かに民法に強くなるためには,「結論」を導き出すまでの「そ
の理由とか趣旨,背景といったものを考える」ことが大切です。

 これで知らず知らずのうちに,「論理力」「法的思考力」が鍛え
られるのです。


 具体的にどうしたらいいのでしょうか ?

 それは──

 「………ので,〜である」
 「………だから,〜である」
 「………のためである」
 「………。したがって〜である」 
 「………すべきだからである」
 「〜である。なぜなら………」

 という記述に〈注目〉するのです !!


 この「……ので」「……だから」の部分が,まさに「理由・趣旨
・背景」を説明した部分なのです。「〜である」が結論部分。


 この方法で「理由を理解する」ことを「ので,から」説といいま
す。

 学生のころ,先輩の弁護士からこの方法を教えられて,以来,私
は長年この方法を愛用しています。

 判例を読み解くときも,専門書を読むときも,今でもこの方法が
最も役に立っています。


 日本語文章の性質として,「理由」説明は,必ず「………だから,
〜である」という構成になるのですね。決まり事なんです。

 このメルマガにも「……ですから」とか「……のためです」とい
う理由付けがたくさんしてあります。お気づきでしたか ?


 「……ので」「……だから」の部分を,シッカリ読む・考える。

 そうすると「なるほど,そういうことなんだ」って,納得できる,
納得できるから忘れないのです。


 難しく考えることはありません。

 「ので,から」説で,理由・趣旨を理解する,これだけです。

 これだけで,論理力・法的思考力が確実に自分のものになります。


 これで今日からあなたも,民法は得意科目に様変わりですね ♪




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       「 2008/03/01号(通算第18号)」


  ■ 配信済み/週1回土曜日 ■

 (第1回)3/22号(通算第19号) 権利能力・行為能力等
 (第2回)3/29号(通算第20号) 意思表示
 (第3回)4/05号(通算第21号) 代 理
 (第4回)4/12号(通算第22号) 時 効
 (第5回)4/19号(通算第23号) 物権変動・占有権 
 (第6回)4/26号(通算第24号) 所有権・地上権・地役権
 (第7回)5/03号(通算第25号) 担保物権・抵当権
 (第8回)5/17号(通算第26号) 債務不履行・連帯債務等
 (今 回)5/24号(通算第27号) 債権譲渡・弁済・相殺

  第10回 5/31号は《同時履行の抗弁権》《危険負担》
 などの予定です。



◇◆ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 第9回 【権利関係編──民法(債権譲渡・弁済・相殺)】


  1 債権譲渡/問題編    同/解答解説編

  2 弁 済(1)/問題編  同/解答解説編

  3 弁 済(2)/問題編  同/解答解説編

  4 相 殺/問題編     同/解答解説編

◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




□■ 1 債権譲渡/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━




【問 1】 

 Aは,Bに対して有する売買代金債権をCに譲渡した。この場合,
AがBに譲渡の通知をしても,Bの承諾がなければ,CはBに対し
債務の履行を請求できない。
                         (61-10-1)




【問 2】 

 AがBに対する貸金債権をCに譲渡した場合,Cは,その旨をB
に確定日付のある証書で通知しなければ,第三者に対抗することが
できない。
                          (2-3-1)




【問 3】 

 Aが,Bに対して有する金銭債権をCに譲渡した場合に,Bが譲
渡を承諾する相手方は,A又はCのいずれでも差し支えない。

                         (12-6-2)




【問 4】 

 Aは,Bに対して有する売買代金債権をCに譲渡した。この場合,
当該債権につき譲渡禁止の特約が付されているときは,当該特約の
存在につきCが善意であっても,CはBに対し債務の履行を請求で
きない。
                         (61-10-3)




【問 5】 

 Aが,AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合に,Aは,C
への譲渡について,Bに対しては,Aの口頭による通知で対抗する
ことができるが,第三者Dに対しては,Bの口頭による承諾では対
抗することができない。
                          (9-5-1)




【問 6】 

 Aは,Bに対して貸付金債権を有しており,Aはこの貸付金債権
をCに譲渡した。この場合,Aが貸付金債権をDに対しても譲渡し,
Cへは確定日付のない証書,Dへは確定日付のある証書によってB
に通知したが,いずれの通知もBによる弁済前に到達したとき,B
への通知の到達の先後にかかわらず,DがCに優先して権利を行使
することができる。
                         (15-8-3)




【問 7】 

 Aは,Bに対して有する売買代金債権をCに譲渡した。この場合,
当該債権につきDが保証債務を負っているときは,BがAに譲渡の
承諾をすれば,DはCに対し保証債務を負うことになる。
                        
                         (61-10-4)




【問 8】 

 Aは,Bに対して貸付金債権を有しており,Aはこの貸付金債権
をCに譲渡した。この場合,Aが貸付金債権をEに対しても譲渡し,
Cへは平成15年10月10日付,Eへは同月9日付のそれぞれ確定日付
のある証書によってBに通知した場合で,いずれの通知もBによる
弁済前に到達したとき,Bへの通知の到達の先後にかかわらず,E
がCに優先して権利を行使することができる。

                         (15-8-4)




【問 9】 

 Aが,Bに対して有する金銭債権をCに譲渡した場合に,Bが,
既にAに弁済していたのに,AのCに対する譲渡を異議をとどめな
いで承諾したときは,Bは,弁済したことをCにもAにも主張する
ことができない。
                         (12-6-4)




【問 10】

 契約時点ではまだ発生していない将来債権でも,発生原因や金額
などで目的債権を具体的に特定することができれば,譲渡すること
ができ,譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったことは譲渡の
効力を直ちに否定するものではない。
                         (19-9-3)





≡≡≡≡ 1 債権譲渡/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 1】 ×  [債権譲渡の対抗要件]

 債権者Aから,債務者Bに債権譲渡の〈通知〉をすれば,Bの
〈承諾〉がなくても,譲受人Cは,Bに対し債務の履行を請求でき
ます。

 債権譲渡を債務者その他の第三者に対抗(主張)するには──

 (1) 譲渡人が債務者に〈通知〉するか,または,
  (2) 債務者の〈承諾〉 を必要とします。

 債権の譲受人が,債務者に対して債権を行使するためには,債務
者が〈債権者が変更した事実を知っていることが必要〉ですから,
(1)(2)のどちらか一方があればいいのです。

 〈承諾〉というのは,同意するという意味ではなく,単に債権が
譲渡されたという事実を〈了解・了承〉することです。





【問 2】 ×  [債権譲渡の対抗要件]

 〈譲受人〉Cが,確定日付のある証書で債務者Bに債権譲渡の通
知をしても,対抗要件とはなりません。

 通知は,譲渡により債権を失う〈譲渡人〉がするからこそ信頼性
があるのですから,譲渡人がしなければならず,〈譲受人〉の通知
は,たとえ確定日付ある証書でなされても対抗力はないのです。


 ★☆ 確定日付のある証書ってなんなの ? 

 確定日付のある証書というのは,たとえば「公正証書」や「内容
証明郵便」などをいいます。

 これらの証書は,公証人とか郵便局長など職業的規律に服する人
が,客観的な第三者の立場で日付を記載するため,取引の当事者の
共謀によって〈日付を勝手に操作〉することが不可能となります。

 日付が法律上の権利を左右する場面では,決定的な証拠力となる
のです。 





【問 3】 ○  [承諾の相手方]

 債務者Bが承諾する相手方は,譲渡人A・譲受人Cのどちらでも
かまいません。

 債務者の承諾を債権譲渡の対抗要件としたのは,〈債務者が誤っ
て弁済することがないようにする〉ためですから,要するに,債務
者が譲渡の事実を知っていればいいのです。





【問 4】 ×  [譲渡禁止の特約]
 
 債権譲渡の禁止の特約があっても,この特約は,善意の第三者に
対しては効力を生じません。

 つまり,特約の存在について,譲受人Cが善意であれば,債権譲
渡は有効であり,Cは,債務者Bに対し債務の履行を請求できます。


* 譲渡禁止の特約は,〈善意の第三者〉に対抗できないとしても,
善意の第三者は〈無過失〉であることを要するのでしょうか。

 判例は,譲受人に「重大な過失があるときは,悪意と同様に扱う
べき」として,悪意または善意重過失の場合には,債務者は,禁止
特約を対抗できるとしました。

 譲受人は善意無過失のときはもちろん,〈軽過失〉があっても債
権を取得できるのです。





【問 5】 ○  [通知・承諾の対抗力]

 A→Cの債権譲渡を,(1) 債務者Bに対抗するには,〈口頭〉に
よる通知・承諾で足りますが,(2) 債務者以外の第三者Dに対抗す
るには,〈確定日付ある証書〉による通知・承諾が必要です。

 第三者Dに対しては,債務者Bの「口頭による承諾」では対抗で
きないのです。





【問 6】 ○  [対抗力のある通知]

 通知が,Cへの確定日付のない証書と,Dへの確定日付のある証
書によってなされた場合,「通知の到達の先後にかかわらず」,D
が,Cに優先して債権を取得します。

 通知・承諾は,〈確定日付ある証書〉によらなければ,債務者以
外の第三者に対抗できないため,確定日付のない証書によって通知
されたCへの債権譲渡は,第三者対抗力がないのです。





【問 7】 ○  [保証債務の随伴性]

 主たる債務が移転するときは,保証債務も一緒に移転します(保
証債務の随伴性)。

 債権譲渡の通知または承諾があれば,保証人についても効力を生
じ,保証人Dは,新債権者Cに対し保証債務を負うことになります。





【問 8】 ×  [債権の二重譲渡と優劣の基準]

 債権譲渡の〈通知〉は,意思表示と同じく〈到達〉によって効力
を生じます。

 債権が二重譲渡され,〈ともに〉確定日付ある証書による通知が
あったときは,その優劣は,〈確定日付の先後〉ではなく,通知が
債務者に〈到達した日時の先後〉によって決定されるのです。

 Bへの通知の「到達の先後」により優劣が決まりますから,先日
付(10/9)のEが,後日付(10/10)のCに優先するとは限りま
せん。

 「Bへの通知の到達の先後にかかわらず,EがCに優先して権利
を行使することができる」わけではないのです。





【問 9】 ×  [異議をとどめない承諾の対抗力]

 「Aにも主張することができない」が誤りです。

 債権譲渡について,債務者が〈異議をとどめないで承諾〉した場
合,債務者は,譲渡人に対抗できた一切の事由を〈譲受人〉に対抗
できなくなります。

 これは異議をとどめない承諾に〈公信力〉を与えて,あくまでも
承諾を信頼した〈譲受人を保護〉するためなのです。

 したがって,債務者Bは,譲渡人Aへの弁済を譲受人Cには主張
できませんが,Aには当然に主張できるのです。





【問 10】 ○  [将来債権の譲渡]

 まだ発生していない債権を譲渡できるでしょうか。

 判例は,将来発生する診療報酬債権の譲渡について,「債権発生
の可能性」を要件とせずに,発生原因や金額,期間の始期・終期を
明確にするなどして債権が「具体的に特定」されている限り,有効
に譲渡できると判断しました。

 難問ですね。




★☆☆ まとめておこう ☆☆★

 <債権譲渡の対抗要件>

 1 債権の譲渡は,譲渡人が債務者に通知をし,または債務者が
  承諾をしなければ,債務者その他の第三者に対抗することがで
  きない。

 2 通知・承諾は,〈確定日付のある証書〉によってしなければ,
  債務者以外の〈第三者〉に対抗することができない。


 <対抗要件に関する判例のルール>

 1 確定日付ありの通知となしの通知では,ありが優先する。

 2 両方とも確定日付ありのときは,〈到達〉の先後で決する。
  日付ではない。





□■ 2 弁 済(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




【問 11】 

 AのBに対する貸金について,AB間で返済場所について別段の
定めがないときは,Bは,Aの住所で返済しなければならない。

                          (3-9-3)




【問 12】 

 AのBに対する貸金について,Bが返済をしようとしても,Aが
受取証書を交付しないときは,Bは,その交付がなされるまで,返
済を拒むことができる。
                          (3-9-4)




【問 13】 

 Aが,Bに対して不動産を売却し,所有権移転登記及び引渡しを
した。この場合,Bの親友Cが,Aに直接代金の支払いを済ませて
も,それがBの意思に反する弁済である場合には,Bの代金債務は
消滅しない。
                         (11-5-1)




【問 14】 

 Aは,土地所有者Bから土地を賃借し,その土地上に建物を所有
してCに賃貸している。この場合,Cは,AのBに対する借賃の支
払債務については法律上の利害関係を有しないので,Aの意思に反
して,債務を弁済することはできない。
                         (17-7-1)




【問 15】

 AB間で,A所有の土地について,平成16年9月1日に売買代金
3,000万円(うち,手付金 200万円は同年9月1日に,残代金は同年
10月31日に支払う。)とする売買契約を締結した場合に,Aが残代
金の受領を拒絶することを明確にしている場合であっても,Bは同
年10月31日には 2,800万円をAに対して現実に提供しなければ,B
も履行遅滞の責任を負わなければならない。
                                                 (16-4-4)
                            




【問 16】 

 AはBに対し金銭債務を負っている。この場合,この債務が利息
を生ずべきものであるときに,Aの弁済額が元本と利息の合計に不
足する場合は,Aが特段の指定をしない限り,まず元本にこれを充
当する。
                         (62-11-2)




【問 17】 

 AのBからの借入金 100万円の弁済に関して,Aの保証人DがB
に弁済した場合,Dは,Bの承諾がなくても,Bに代位することが
できる。
                          (5-6-2)




【問 18】 

 Aが,Bに対して不動産を売却し,所有権移転登記及び引渡しを
した場合で,Bの友人Eが,Bの代金債務を連帯保証していたため
Aに全額弁済した場合,Eは,Aの承諾がないときでも,Aに代位
する。
                         (11-5-4)




【問 19】 

 AのBからの借入金 100万円の弁済について,B名義の領収証を
Eが持参したので,AがEに弁済した場合において,Eに受領権限
がなくても,Aが過失なくしてその事情を知らなかったときは,A
は,免責される。
                          (5-6-3)




【問 20】 

 Aが,Bに対して不動産を売却し,所有権移転登記及び引渡しを
した場合で,Bが,「AからDに対して代金債権を譲渡した」旨記
載された偽造の文書を持参した代金債権の準占有者Dに弁済した場
合,Bが善意無過失であるときは,Bは,代金債務を免れる。

                         (11-5-3)





≡≡≡≡ 2 弁 済(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 11】 ○  [金銭債務の返済場所]

 金銭消費貸借で返済場所を定めなかったときは,借主Bは,貸主
Aの〈現在の住所〉で返済しなければなりません。

 これを〈持参債務の原則〉といいます。





【問 12】 ○  [受取証書の交付請求]

 弁済者Bは,受領者Aに対して受取証書の交付を請求できますが,
受取証書は〈弁済の証拠〉となりますから,弁済と同時に交付され
る必要があります。

 つまり,弁済と受取証書の交付とは,同時履行の関係に立ち,弁
済者は,受取証書の交付がなされるまで,弁済を拒むことができる
のです。





【問 13】 ○  [利害関係を有しない第三者の弁済]

 親友Cによる弁済も,債務者Bの意思に反する場合には無効であ
り,Bの代金債務は消滅しません。

 〈法律上の利害関係を有しない第三者〉は,債務者の〈意思に反
して〉弁済することができません。

 たとえ債務者の利益になる場合でも,〈本人の意思〉に反して強
制することはできないとされているのです。

 親友というだけでは,法律上の利害関係があるとはいえません。





【問 14】 ×  [利害関係を有する第三者の弁済]

 〈法律上の利害関係を有する第三者〉は,〈債務者の意思に反し
て〉も弁済することができます。

 借地上の建物賃借人Cは,借地人(建物賃貸人)Aの地代債務に
関して〈法律上の利害関係を有します〉から,Aの意思に反しても,
その地代債務を弁済することができるのです。

 Aに借賃の債務不履行があれば,土地の賃貸借契約は解除され,
Cは建物を明け渡さなければならなくなりますから,この点に法律
上の利害関係が認められます。





【問 15】 ×  [受領遅滞と弁済提供]

 弁済の提供は〈現実〉にしなければなりません。

 ただし,〈債権者があらかじめその受領を拒んでいるとき〉は,
債務者は,弁済の準備をしたことを〈通知して受領の催告〉をすれ
ば〈弁済の提供〉となり,この時から,債務不履行によって生じる
一切の責任を免れます。

 債権者「Aが残代金の受領を拒絶することを明確にしている」の
であれば,債務者である買主Bは,10月31日に残代金 2,800万円を
〈現実に提供〉しなくても,弁済の準備を通知して受領の催告をす
れば,履行遅滞の責任を負うことはありません。





【問 16】 ×  [弁済の充当の順序]

 債務について,元本のほか,利息,費用を支払うべき場合に,弁
済額が不足しているときは,債務者の指定がなければ,順次に,(1)
費用 (2) 利息 (3) 元本に充当しなければなりません。

 「まず元本にこれを充当する」ことはできないのです。





【問 17】 ○  [法定代位──保証人]

 保証人Dが弁済すれば,債権者Bの承諾がなくても,当然にBに
代位できます。

 保証人・連帯債務者など,弁済をするについて〈正当な利益を有
する者〉は,弁済によって〈当然に〉債権者に代位するのです(法
定代位)。

 もともと保証人・物上保証人などが債務者に代わって弁済すれば,
債務者に対してその弁済額を求償できるのですが,この求償権の効
力を確保するために,代位という制度を認めて,債権者が有する担
保権その他の権利が,弁済者に移転するものとしたのです。





【問 18】 ○[法定代位──連帯保証人]

 前問と同じですね。

 債務者Bの友人Eは,弁済をするについて〈正当な利益を有する〉
連帯保証人です。

 したがって,Eは,債権者Aの承諾がないときでも,弁済によっ
て当然にAに代位します(法定代位)。





【問 19】 ○  [受取証書の持参人への弁済]

 領収証(受取証書)の持参人は,原則として弁済を受領する権限
があるとみなされます。

 したがって,持参人Eに受領権限がなくても,そのことについて
弁済者Aが「過失なくしてその事情を知らなかった」善意無過失で
あれば,その弁済は,受領権限のある者に対してなされたのと同様
に有効となり,債権は消滅します。





【問 20】 ○  [債権の準占有者への弁済]

 債権の準占有者に対してした弁済は,弁済者が〈善意かつ無過失〉
のときに限り,有効です。

 判例は,偽造の債権証書の所持人Dも,〈債権の準占有者〉とし
ており,したがって,弁済者Bが善意無過失のときは,Dへの弁済
は有効となり,Bは,代金債務を免れます。





□■ 3 弁 済(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




【問 21】

 Aは,土地所有者Bから土地を賃借し,その土地上に建物を所有
してCに賃貸している。この場合で,Aが,Bの代理人と称して借
賃の請求をしてきた無権限者に対し債務を弁済した場合,その者に
弁済受領権限があるかのような外観があり,Aがその権限があるこ
とについて善意,かつ,無過失であるときは,その弁済は有効であ
る。
                         (17-7-2)




【問 22】 

 Aが,Bに対して不動産を売却し,所有権移転登記及び引渡しを
した場合で,Aが,Bに対し代金債権より先に弁済期の到来した別
口の貸金債権を有する場合に,Bから代金債権の弁済として代金額
の支払いを受けたとき,Aは,Bの意思に反しても,代金債権より
先にその貸金債権に充当することができる。
                         (11-5-2)




【問 23】 

 Aは,土地所有者Bから土地を賃借し,その土地上に建物を所有
してCに賃貸している。この場合,Aが,当該借賃を額面とするA
振出しに係る小切手(銀行振出しではないもの)をBに提供したと
きは,債務の本旨に従った適法な弁済の提供となる。
                         (17-7-3)




【問 24】 

 Aは,土地所有者Bから土地を賃借し,その土地上に建物を所有
してCに賃貸している。この場合,Aは,特段の理由がなくとも,
借賃の支払債務の弁済に代えて,Bのために弁済の目的物を供託し,
その債務を免れることができる。
                         (17-7-4)




【問 25】 

 AのBに対する債務について,CがAの連帯保証人となるととも
に,Aの所有地にBの抵当権を設定し,その登記をしたが,その後
Aは,その土地をDに譲渡し,登記も移転した。
 この場合,CがDの取得前にBに弁済した場合,Cは,Aに対し
てBに代位することができるが,Dに対しては,代位の付記登記を
しておかなければ,Bに代位することができない。

                          (6-5-3)




【問 26】 

 AのBに対する債務について,CがAの連帯保証人となるととも
に,Aの所有地にBの抵当権を設定し,その登記をしたが,その後
Aは,その土地をDに譲渡し,登記も移転した。
 この場合,DがBに弁済した場合,Dは,A及びCに対してBに
代位することができる。
                          (6-5-4)




【問 27】 

 Aが,Bに対する金銭債務の弁済に代えて,Cに対するAの金銭
債権を譲渡する場合に,その金銭債権の弁済期が未到来のものであ
るときは,弁済としての効力は生じない。
                          (12-9-3)




【問 28】 

 Aが,Bに対する金銭債務について,不動産の所有権をもって代
物弁済の目的とする場合,Bへの所有権移転登記その他第三者に対
する対抗要件を具備するため必要な行為を完了しなければ,弁済と
しての効力は生じない。
                         (12-9-1)




【問 29】 

 Aが,Bに対する金銭債務について,Bが,Aから代物弁済とし
て不動産の所有権の移転を受けた後は,その不動産に隠れた瑕疵が
あっても,Aの責任を追及することはできない。
                         (12-9-4)





≡≡≡≡ 3 弁 済(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 21】 ○  [代理人と称する者への弁済] 


 債権者Bの代理人と称して借賃の請求をしてきた無権限者も,真
実の弁済受領権限があるかのような外観を有していれば,〈債権の
準占有者〉とされます。

 債権の準占有者に対する弁済は,弁済者Aが〈善意無過失のとき
に限り〉有効とされます。つまり,Aの債務は消滅します。

 (あとは,債権者と無権限者との問題となります)





【問 22】 ×  [弁済の充当の指定]

 債権者Aは,先に〈弁済期の到来〉した別口の「貸金債権」があ
っても,弁済者Bから「代金債権」の弁済として支払いを受けたと
きは,その意思に反して,これを貸金債権に充当することはできま
せん。

 債務者(弁済者)が数個の債務を負担する場合に,弁済が不足し
て債務全部を消滅させことができないときは,まず〈弁済者〉が一
方的に,どの債務の弁済なのかを〈指定〉することができます。

 これは,弁済者が最も利害を有しているからなのです。





【問 23】 ×  [小切手による弁済提供]

 「銀行振出しではない」小切手を提供しても,〈債務の本旨〉に
従った〈弁済の提供〉とはなりません。

 このような小切手は,取引界において通常その支払いが確実なも
のとして現金と同様の取扱いがされる〈銀行の自己宛振出小切手〉
とは異なり,弁済信用力に乏しいからです。





【問 24】 ×  [供託原因]

 「特段の理由がなくとも」が誤りです。

 債務者は,法定の〈供託原因〉がなければ,供託できません。

 民法で定める供託は,弁済と同じ効果をもつ〈弁済供託〉で,債
権者が弁済の受領を拒否しているときなどには,債務者はいつまで
たっても債務から解放されませんから,供託によって債務を消滅さ
せることにしたのです。

 具体的には,目的物を供託所(法務局)に預けるのですが,供託
所は国家機関が管理しますから,債務の履行は確実であり,したが
って,供託によって債務者の債務を消滅させても,債権者に不利益
はないのです。

 供託原因は,(1) 債権者が弁済の受領を拒むとき,(2) 債権者が
受領できないとき,(3) 弁済者が過失なく債権者を確知できないと
き,の3つです。


* なお,宅建業法では,営業保証金の「供託」は頻出事項です。





【問 25】 ○  [代位の付記登記] 

 弁済について〈正当な利益〉を有する連帯保証人Cは,弁済によ
って当然に,債務者Aに対して抵当権者Bに〈法定代位〉します。

 この場合,Cは,その〈弁済後〉に抵当不動産を取得した第三取
得者Dに対しては,あらかじめ抵当権の登記に〈代位の付記登記〉
をしておかなければ,債権者(抵当権者)Bに代位して抵当権を主
張することはできません。

 弁済した連帯保証人が〈代位権〉を行使するかどうかを登記によ
って明示しておかないと,第三取得者に不測の損害を与えるからで,
これは177条(対抗要件)と同じ趣旨なのです。





【問 26】 ×  [代位者相互間の優劣]

 難しい問題ですね。スンナリ解ける人はそう多くはないでしょう。


 抵当不動産の第三取得者Dが,〈債務者〉Aに代わって弁済した
ときは,Aに対して当然に債権者Bに法定代位します。

 しかし,明文で規定されているように,第三取得者Dは,〈保証
人〉や〈連帯保証人〉Cに対しては,債権者Bに代位することはで
きません。

 これは,第三取得者は,担保権が設定されていることを承知で取
得しているのですから,債務者が弁済しないときは,担保権が実行
されるリスクを覚悟すべきとされ,別途,代価弁済や抵当権消滅請
求などの方法で保護されているからです。

 保証人に対してまで代位を認める必要はないのです。
    




【問 27】 ×  [代物弁済の要件]

 債権の譲渡も代物弁済とすることができますが,その弁済期が未
到来であっても弁済としての効力を生じます。

 



【問 28】 ○  [代物弁済の要件]

 不動産の所有権で代物弁済をする場合には,原則として,所有権
移転登記手続,その他「第三者に対する対抗要件を具備するため必
要な行為」を〈完了〉したときに,弁済としての効力が生じます。

 代物弁済は,本来の給付に代えて,〈現実〉に他の給付をするこ
とによって債権を消滅させる契約ですから,単に所有権移転の〈意
思表示〉だけでは足らず,登記手続等を完了させる必要があるので
す。





【問 29】 ×  [代物弁済の効果]

 もともと代物弁済として給付されたものに瑕疵があっても,債権
者は,本来の給付や瑕疵のないものの給付を請求することはできま
せん。

 代物弁済は弁済と同じで,本来の給付とは違う対価を〈直ちに〉
給付して債権を消滅させるものだからです。

 しかし,代物弁済は〈有償契約〉ですから,〈売買〉の瑕疵担保
責任の規定が準用され,債権者Bは,債務者Aの責任を追及して,
契約解除または損害賠償の請求をすることができます。





□■ 4 相 殺/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━




【問 30】 

 AはBに対して土地を 1,000万円で売却し,その代金債権を有し
ている。一方,BはAに対して同じく 1,000万円の貸金債権を有し
ている。この場合,土地代金の支払場所が鹿児島,貸金の返済場所
が青森となっており,両者の債務の履行地が異なる場合は,相殺す
ることはできない。
                         (62-10-1)




【問 31】 

 AはBに対して土地を 1,000万円で売却し,その代金債権を有し
ている。一方,BはAに対して同じく 1,000万円の貸金債権を有し
ている。この場合,両者の債権が相殺適状になった後,AがBに対
して相殺の意思表示をしたときは,その効力は相殺適状が生じた時
にさかのぼって発生する。
                         (62-10-3)




【問 32】

 AがBに対して 100万円の金銭債権,BがAに対して 100万円の
同種の債権を有する場合(AB間に相殺の特約はないものとする),
Aの債権について弁済期の定めがなく,Aから履行の請求がないと
きは,Bは,Bの債権の弁済期が到来しても,相殺をすることがで
きない。
                          (7-8-2)




【問 33】

 AがBに対して 100万円の金銭債権,BがAに対して 100万円の
同種の債権を有する場合(AB間に相殺の特約はないものとする),
Aの債権が,Bの不法行為によって発生したものであるときには,
Bは,Bの債権をもって相殺をすることができない。
                          (7-8-3)




【問 34】

 Aは,B所有の建物を賃借し,毎月末日までに翌月分の賃料50万
円を支払う約定をした。またAは敷金 300万円をBに預託し,敷金
は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。
 この場合,AがBに対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有し
たときは,Aは,このBに対する損害賠償請求権を自働債権として,
弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。

                         (16-8-2)




【問 35】 

 AがBに対して100万円の金銭債権,BがAに対して100万円の同
種の債権を有する場合(AB間に相殺の特約はないものとする),
Aの債権が時効によって消滅した後でも,時効完成前にBの債権と
相殺適状にあれば,Aは,Bに対して相殺をすることができる。
 
                          (7-8-1)




【問 36】

 AがBに対して100万円の金銭債権,BがAに対して100万円の同
種の債権を有する場合(AB間に相殺の特約はないものとする),
CがAの債権を差し押えた後,BがAに対する債権を取得したとき
は,Bは,Aに対して相殺をすることができるが,それをもってC
に対抗することはできない。
                          (7-8-4)
 



【問 37】 

 Aは,B所有の建物を賃借し,毎月末日までに翌月分の賃料50万
円を支払う約定をした。またAは敷金 300万円をBに預託し,敷金
は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。
 この場合,Aは,Bが支払不能に陥ったときは,特段の合意がな
くても,Bに対する敷金返還請求権を自働債権として,弁済期が到
来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
                         (16-8-1)





≡≡≡≡ 4 相 殺/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 30】 ×  [履行地の異なる債務の相殺]

 相殺は,双方の債権を対当額で消滅させる〈意思表示〉ですから,
鹿児島,青森というように,両方の債務の履行地が異なるときでも,
することができます。





【問 31】 ○  [相殺の遡及効]

 相殺の意思表示は,相殺適状が生じた時にさかのぼって,その効
力を生じます。

 相殺をした意思表示の時ではなく,客観的に〈相殺適状が生じた
時〉としたのは,相殺適状が生じれば,意思表示をしなくても当事
者には〈相殺に対する期待〉(=対当額で清算されるという期待)
が生じているものと考えられますから,民法は,この期待を保護し
たのです。





【問 32】 ×  [相殺適状──自働債権の弁済期]



   100万円 受動債権 弁済期が来ていない
   ────────────────→ 
 A                   B
   ←────────────────
   100万円 自働債権 弁済期が来ている



 相殺は,必ずしも双方の債務の弁済期が到来していなくてもする
ことができます。

 自働債権の債権者は,相殺に用いる自働債権(相手の債務)の弁
済期が到来していれば,受働債権(自分の債務)の弁済期が到来し
ていなくても,期限の利益を放棄して相殺することができるのです。

 Aの受働債権(Bの債務)について「弁済期の定めがなく,履行
の請求もないとき」は,Bは,いつでも弁済して清算できる状態に
ありますから,Bの自働債権(Aの債務)の弁済期が到来していれ
ば,直ちに相殺することができます。





【問 33】 ○  [不法行為債権(受動債権)に対する相殺]


       100万円 不法行為債権
     ──────────────→ 
 A 被害者               B 加害者
     ←──────────────
        100万円 自働債権 



 被害者Aの〈受働債権〉が,加害者Bの不法行為によって発生し
た損害賠償請求権であるときは,Bは,自己の自働債権でAの損害
賠償請求権と相殺することはできません。

 不法行為の被害者Aには,必ず〈現実の弁済〉が得られるよう保
障するためで,加害者Bからの相殺による決済は許されないのです。

 「薬代は現金で」ということなのです。





【問 34】 ×  [不法行為債権(自働債権)による相殺]


         50万円 賃料債権
      ────────────→ 
 B 賃貸人              A 賃借人(被害者)
      ←────────────
          損害賠償請求権 



 被害者Aは,不法行為に基づく損害賠償請求権を〈自働債権〉と
して,賃料債務と相殺することができます。

 そもそも加害者(不法行為者)の方から,被害者の損害賠償請求
権を〈受働債権〉とする相殺が許されないのは,被害者に〈現実の
弁済〉を受けさせるためですから,被害者の方で相殺による決済を
望んでいれば,これを認めても支障はないのです。





【問 35】 ○  [時効消滅した自働債権による相殺]

 Aの金銭債権が時効消滅した後でも,その〈消滅時効完成前〉に,
Bの金銭債権と相殺適状にあれば,Aは相殺することができます。

 これは,当事者は,相殺できる状態に達したときは,特に相殺の
意思表示をしなくても,〈当然に清算された〉ように考えますから,
民法は,この信頼を保護したのです。


*条文を紹介しておきますね。

 (時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)508条

 「時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するよう
 になっていた場合には,その債権者は,相殺をすることができる」




                             
【問 36】 ○ [相殺の禁止──差押えを受けた受働債権]


         C
         ↓
         ↓ 差押え

     100万円 受動債権 
   ────────────→ 
 A               B
   ←────────────
     100万円 自働債権 



 Aの債権が〈差し押さえられた後〉に,Bが,Aに対する債権を
取得した場合には,その債権による相殺をもって,差押債権者Cに
対抗することはできません。

 差し押さえられたAの債権(Bの債務)は,差押債権者Cに弁済
すべきことになるからです。





【問 37】 ×  [敷金返還請求権による相殺]


       50万円 賃料債権 弁済期にある
      ───────────────→ 
 B 賃貸人                 A 賃借人
      ←───────────────
     300万円 敷金返還請求権 弁済期にない



 賃借人Aは,敷金返還請求権を〈自働債権〉として,賃料債務と
相殺することはできません。

 自働債権は,必ず〈弁済期にある〉ことが必要です。

 敷金については,「賃貸借終了後明渡し完了後」に支払うという
約定がありますから,敷金返還請求権(Bの債務)の弁済期はまだ
到来していません。

 Bが支払不能になれば直ちに敷金を返還するというような「特段
の合意」がない以上,これを自働債権として相殺することはできな
いのです。






 お疲れさまでした。今回はここまでです。






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