2008.03.04
語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 − 032号 −
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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による
語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 − 032号 −
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こちらです。
http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620
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■今週の本 「英語の話し方」
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買う??: ★★★★☆
これも基本書ですね。「同時通訳の神様」と呼ばれた著者が、基本的な
ところから丁寧に書いています。
1999年の発売ですが、現在は2007年10月の22刷と、引き続き売れて
います。
実行可能度: ★★☆☆☆
野球の素振りを繰り返すがごとく只管朗読を繰り返すのは、大人になって
しまった我々にはかなり億劫なものに感じられるのでは無いでしょうか。
その壁を乗り越えられるかが最初のヤマです。
読んで頂きたい方:
話せるようになりたい方
「國弘流英語の話し方」 國弘正雄
たちばな出版 1999.12
アマゾンはこちらから
http://www.amazon.co.jp/dp/4813311849/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
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■エッセンス
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章立ては以下の通りです。
第一部 只管朗読編
第二部 英文法編
第三部 活用自在編
第四部 日本と世界と英語編
本書のタイトルは「英語の話し方」なのですが、目次だけ見ると、「これで
どうやって話せるようになるのだ」と思ってしまいます。
実際は、第三部「活用自在編」が本書の半分を占めており、見聞きして
分かる表現・語彙・文法を使いこなせるものに変えていくヒントがそこに
提示されています。
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■内容
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第一部 只管朗読編
只管朗読は「ひたすら朗読する」という意味ですが、著者は中学校の
リーダーをくり返しくり返し読むことを勧めます。
もちろん、それだけでよいと言うわけではなく、今後の英語学習の核と
なるものがそれによって作られるというものです。
只管朗読の効果として、次の5つを挙げています。
1.直読直解が可能になる
英語をひたすら音読することによって、英語の語順どおりに意味をとって
いくという思考パタンが脳の中に深く刻まれるのです。(46ページ)
2.有意義な多読が可能になる
「精読->只管朗読->多読」の流れ。
3.自分が必要とする会話表現を、いろいろな媒体から取り込む力がつく
4.英作文の力が会話力になる
5.難しい英語に取り組む力がつく
教材については、中学の教科書を薦めていますが、いずれにせよ目移り
しないで、決めたテキストを何回も繰り返すことが肝要です。著者は課に
よっては、1,000回以上繰り返したと書いています。それだけ繰り返す
には強い意志が必要でしょう。
第二部 英文法編は、文法学習をどう考えるべきかという点から興味
深いです。
日本人は文法、文法と言うから英語ができないのではなく、事実はまったく
逆で、「まだまだ文法の勉強が足りない」というのが真相のようです。文法の
理屈や文法用語の暗記が足りないのではありません。訓練が足りないのです。
(106ページ)としたあとで、文法マスターの四段階を提示します。
1.文法書の説明を読んで、例文の意味が一通り分かる。
2.例文そのものを只管朗読して、身体に覚え込ませる。
3.文法的な観察眼を働かせつつ、大量の英語を読み、かつ聞く。
4.いろいろな文法項目を実際の場で使ってみて、自分の文法感覚を
錬磨、調整していく。
多くの人は第一段階で挫折、満足してしまうようです。
文法知識と文法運用能力を、knowing that と knowing how という考えを
提示して明らかにしていきます。(英国の哲学者Gilbert Ryleの定義による)
knowing that (文法知識)があるだけでは使えないので、練習することで
knowing how も身につけていくわけですが、knowing that からknowing
how に移る移り方は人によってそれぞれバラバラなので、「文法は自分が
必要と思うだけ勉強すればよい」という結論になっています。
第三部 活用自在編は、只管朗読で身についたコアの知識に肉付けをして
いくものです。
「文法書にのっている例文というものは、それぞれの文法形式の代表例
だけを集めたものであって、その形式が持つ表現可能性をすべてにわたって
記述したものではない」(218ページ)ということで、著者は、多読多聴での
肉付けをしていきます。
(実際の肉付けの例は、是非本書でご確認ください)
「文法能力語彙力も発音能力もそれなりにありながら、口から英語が
なかなか出てこないと訴える人がいます。原因を探ってみると、<他動詞
+名詞> <形容詞+名詞> といった基本的なコロケーション能力の不足に
よる場合がままあるのです」(262ページ)
著者はコロケーション重視の研究社「新英和活用大辞典」を三冊ひき潰した
そうです。
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■感想
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前々回の小川芳男「話せるだけが英語じゃない」でも感じましたが、
大御所がそのノウハウを一冊に注ぎ込んだという感じの本です。
第二部第五章にある「文法は自分が必要と思うだけ勉強すればよい」
という切り口は、目から鱗でした。
外国語学習に関する議論で、「AかBか」という対立が(分かりやすい
こともあり)良く用いられます。
「文法知識か運用能力か」というのもその一つですが、それに対しては
私は「第二言語を学ぶ日本人が、母語から遠い言語を学ぶのであれば、
文法を学んだ方が効率的に学べる。両方やれば良い」と言ってきました。
著者はさらに一歩進めて、「解説としての文法は自分が必要と思う分量だけ
勉強すればよい。自信があればゼロでもよい。各自が自分の置かれた状況と
自分のタイプを判断して、自分で決めるものだ。他人が押しつける問題では
ない」(148ページ)としています。
文法事項を文法用語を用いて説明できなくても、きちんと文法に従って
運用できていれば良いわけですから、「AかBか」ではなく、「AもBも」
でもなく、「お好きなように」ということです。
(とは言っても、私は引き続き文法はきっちりやるべきだと思って
いるのですけれど)
「まえがき」に、”Practice makes perfect” (英語のことわざ)が紹介されて
います。
これまでは「習うより慣れろ」と訳されて、当時のNovaなどの会話学校の
宣伝にも使われていました。
私は「Practice(練習)によって理論/知識が完全なものになる。よって
まずは理論/知識をしっかり身につけるべし」の意だとして、自分の
ブログに書いたりしていましたが、本書でも「何ごとも練習次第」(朝日新聞
天声人語の英訳のシゲ藤田氏の訳)とか「慣れるまで習え」(小川芳男氏の訳)
が紹介されています。
英会話学校の宣伝文句に踊らされず、地道な基礎トレーニングが必要です。
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■おまけ
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多くの興味深い本が紹介されており、いくつか買い求めました。
先週末に著者の「感情表現小和英」を近所のブックオフで見つけたのは
運命のようなものすら感じました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4813317405/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
昨年「できる人の勉強法」が売れた安河内哲也氏は、英語の学習書も
たくさん出しています。
「できる人の勉強法」の「プロローグ」には、安河内氏が予備校時代に
教わった先生の一人の川村さんが國弘正雄氏のお弟子さんであり、そこで
英語を音読中心でマスターした他、他の科目も音読中心で成績を伸ばした
という話が書かれています。
http://www.amazon.co.jp/dp/4806126063/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22
私もフランス語でこのアプローチを試してみようと、材料探しを始めました。
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発行者略歴
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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)
1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン
2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠
(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。
今年の目標は「ワイルドになること」ですが、最近は運動不足で
「ワイドに」なりつつあります。
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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法
発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)
発 行 : まぐまぐID= 0000238273
配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/
─著者ブログ 他─────────────────────────
『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)
http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
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