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語学の虎の巻【書評】英語・外国語学習法


2008.04.15

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  − 038号 −


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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による
語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  − 038号 −
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■今週の本 「なぜあなたは英語が話せないのか」
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■エッセンス
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著者はかつてNHKのラジオ「英語会話」の講師をしていて、私も一時期
聞いておりました。

本書の構成は以下の通りです。

第一章「あなたはコミュニケーション上手?」
「コミュニケーションとは何か」について著者が熱く語るのですが、逆に
私は引いてしまって、前回はここの途中で本書を放り投げました。

第二章「『学校の英語』と『社会の英語』」
学校で教わる英語は社会で必要とされている英語とは内容が異なるとした
上で、学校英語の役割、教授法の変遷などについて書かれています。
英語が話せない理由について、九つ挙げています。(86ページ)

第三章「英語習得への最短距離」
八項目の独習プログラムを提示(126ページ)し、これを欠かさず3年間
続けると相当話せるようになると書いています。
その他に、聞く、単語増強、発音についても書いています。

第四章「表現力増強法」
これは良くあるフレーズ集という感じです。

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■内容
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おそらくそれぞれの章を別々の本にすれば良かったのだと思います。
凝縮して一冊にしてしまったために、焦点がぼけてしまった感じです。
(著者の考えを概観するためにさっと流すのには良いでしょう)
 
ということでいつも通り私の興味に引っ掛かった部分を中心に書いて
いきます。
 
第一章
「はじめに」の、「ことば」=「命」、「ことばの使い方を身につける」と
いうことは「生き方そのものを学ぶ」といった流れを引きずっての第一章で、
「説教臭いぞ」と思って前回は放り投げました。
 
今回私の興味に引っ掛かったのは、同じ文章でも声の出し方の違いで
ニュアンスが変わるということでした。(当たり前のことなのですが忘れて
いました)
文字になった瞬間、発声によりニュアンスを出し分けるということが
出来なくなるわけです。小説家が悩むところでしょう。
 
第二章
「学校の英語」では、「コミュニケーションの手段であることばとしては
つきあっていない」(55ページ)ので、会話ができないことについても
「やっていないのだからできなくて当然とでも思っているよりしかたが
ない」(56ページ)としています。
しかしながら、学校では会話のような技術訓練をするのではなく、「英語を
通して人を『教育』するという命題」を見失ってはならないと述べます。
(59ページ)
 
その後は鈴木孝夫氏を意識したのか
・必要としている者だけに選択科目としてやらせる意見には反対。少なく
とも義務教育の期間は学ぶ機会を与えるべき(60ページ)
・内容を「すべて日本に関するものに変えて、発信型の<日本紹介>の英語を
教えていけばいい」という意見には、「外国語を学ぶ魅力は半減する」
(69ページ)
としています。

64ページからは、英語の教え方の変遷として、現在はオーラルアプローチへの
反省から、コミュニカティブ・アプローチに移ったとしています。
その背景として、「真のコミュニケーション能力は「文型」、「正しい発音」、
適切な「単語」に加えて、「適切な場面における適切な使い方」を合わせて
身につけなければ習得できないことがわかってきた」と言うのですが、
「に加えて」の前までは、まさしくこれまでのオーラルアプローチ
そのものです。
コミュニカティブ・アプローチの中で、土台とすべき部分を築かずに運用に
走っている傾向があるような気がします。
 
84ページに、著者が学生時代に独り言でトレーニングしていた話が出て
います。(私もやっていました)
 

第三章

「これから英語を身につけようとする我々も、子どもにかえったつもりで、」
(109ページ)などと書いてあるのを目にすると、また本を放り出しそうに
なるのですがぐっとこらえて。
 
125ページからの「私のすすめる独習プログラム」では、「なんとか基本的な
英語の読み、書きはできるが、聞く、話すが苦手だという方々」を対象に
しているのですが、これはかなりハードルが高いです。
「書ける」という人は決して多くないと思います。

ちなみにその8ステップの勉強法は以下のようなものです。

ラジオ英会話を15分。声に出して/さらに15分発音練習と暗唱/
仲間を見つけて日常英会話/1日30分英語を聞く/週一で字幕付映画を
見る/毎日二カ国語放送のニュースを見る/毎日英字新聞の見出しに目を
通す/英語を使うボランティア活動に随時参加

「これだけのことを欠かさず3年間続ける。そうすれば相当話せるように
なる」(127ページ)。多分そうでしょう。
 
この他に、

聞くことの大切さ(144ページ)では、「分からなくても続けて聞いてください」
「まず英語特有の調子を身につける必要がある」「正しい発音だけを聞かせ、
間違ったものを聞かせなければ、正しい者だけが身についていく」と書きます。
最後の部分は骨董の目利きのトレーニングと同じですね。
 
単語の覚え方(146ページ)では、「自分の生活に必要な者は覚えやすく、直接
関係のないものはどうしても記憶に残らない」としたうえで、「単語力を
増やすためにもやはり生活の中で英語の必要性を高める」ことが重要と
しています。
著者はゴルフの語彙を身につけるために、ゴルフを始めたと言うことです。

私も単語がなかなか定着しないので、ある時からは「忘れてしまう単語は
縁の無かった単語」と割り切るようにしていました。
著者のアプローチはこちらから語彙に歩み寄るもので、興味深いと思いました。
幅広い語彙を身につけるためには、広い分野に興味を持つ必要があると
言うことでしょう。

日本人の英語の是非(150ページ)
「ことさら「日本人の英語」を目指すのではなく、結果としてそうなることを
受け入れる」ということです。
発音にしろ、文法にしろ、シンガポールのシングリッシュやインドの英語の
ように確立した形で「日本人の英語」が存在するわけではありません。
よって、スタンダードの英語(その定義はさておいて)を目指して、でも最後の
ところは日本人の英語に落ち着くということです。

文法の勉強法(156ページ)
「やはり、無意識のうちに文法にかなった文が作り出せるようになるまで、
文法をしっかりと消化、吸収し文法の規則を自分の中に取り込んでいかな
ければならない」


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■感想
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「なぜあなたは英語が話せないか」という理由はなんとなく分かったような
気がしましたが、「じゃあどうすれば良いの」というところがあっさりして
いて、モヤモヤ感が残る読後でした。

私自身は、発声の仕方でニュアンスが変わるという当たり前のことに
気づかせてくれた点は収穫でした。

以前、
聞く = 読むx 音 x スピード
という式を書いたことがあります。
かけ算には特に意味はなく、聞くが他の三つの要素でできているという式で、
聞く = f (読む, 音, スピード)
で良いでしょう。
 
聞いて分からないとき、スピードを落として分かるのなら、問題はスピード。
ゆっくりにしても分からないのなら、問題は音。
そもそもそのテキストを読んでも分からないのなら、問題は読む力
ということになります。

文字で読む文章は、読者がじっくり考えたり、後戻りしたりできることを
想定しての味のある、練られた文章とすることが可能ですが、音で聞く
文章はそうも行かないので、書かれ方が異なります。
今回はその関連で、イントネーション等によるニュアンスの有無という
要素があると分かったわけです。
(当たり前の話なのですけれどね)

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■おまけ
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本決算が盛り上がってきましたので、来週か再来週のどちらか、メルマガを
一回お休みさせていただきます。

 
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発行者略歴
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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)
1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン
 
2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠
(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。
 
先週4月10日に●●歳の誕生日を迎えた。

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法
発行者    :  澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)
発 行   : まぐまぐID=  0000238273
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