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19歳ピアノをゼロから始めたジャズピアノ弾き自叙伝


2007.08.22

19歳からピアノをはじめ、32歳でジャズのイベントにピアニストとして出演するまでの全記録。


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♪19歳ピアノをゼロから始めたジャズピアノ弾き自叙伝 ♪

第2号 2007/8/22 配信
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今回は、19歳でピアノを始めた最初期のお話をさせていただきたいと思う。

当時、耳で聞きかじった好きな曲を、家に放置され続けていた、1980年代初頭の古いエレクトーンがあったので
とりあえずこれで弾いてみたらどうなるんだろう?
と興味を持ち、右手だけで音探しをはじめる遊びをするようになった。

するとワンフレーズだけ、わずかながら右手だけで音がとれるようになった。

「よし!これなら自分にもできるかもしれない!」と思い立った僕は、早速本屋さんに行って、憧れの坂本龍一の楽譜を買い込んで練習しようと試みた。

しかし、、鍵盤の数が足りない!
エレクトーンは、61鍵2段である。
ピアノ曲の譜面では鍵盤の数が足りなかった。

仕方がないので、親父を説得し、中古の電子ピアノを買ってもらった。

この当時、僕は楽譜の読み方を全く知らなかった。

♭の意味も♯の意味も分からない。
なぜ、二段も楽譜があるのかも分からない。二段あるということは、上は右手で下は左手なのか?と手探りの毎日が続く。

しかしその楽譜をどの指で何を弾いていいかも分からない。
かろうじて分かったことは、二段譜の上の方に、メロディーらしきものがあるのかな?というくらいのものであった。

そこで僕は、なけなしのお金をはたいて、坂本龍一のCDを買い、彼のCDを聞きながら楽譜を目で追い、楽譜の構成がどうなっているのか?必死に勉強しようとした。

そして少しは楽譜がどういう仕組みになっているのかが、理屈ではなく、感覚で分かるようになってきた。

僕が15歳の時、坂本龍一がクリスマスに一人で「戦場のメリークリスマス」を弾いていた番組を録画し
宝物のように大切に見ていたビデオを擦り切れるほど見て、彼の手元を観察して指使いを覚えようとした。

今から考えれば、原始人がピアノを触るような感覚である。

それからというもの、毎日少ない時で5時間、多い日で10時間程度、ピアノに向かうようになった。
あまりの過酷な練習に、電子ピアノは頻繁に壊れ、鍵盤が戻ってこなくなったり、音が出なくなったりとトラブルが多発。
直すお金がなかったものだから、よく自分で分解しながら、応急処置をした。

CDが擦り切れるほど「戦メリ」を聞き、ビデオテープがティッシュペーパーくらいの厚さになる勢いで
指使いを覚えるために何度もビデオを巻き戻しては再生し、彼の手元を観察。

そして何かにとりつかれたかのようにピアノを弾き続け、3ケ月ほどかかった頃に、ようやく最後まで弾けるようになった。

あの時の感動は今も忘れることができない。

生まれてから何の取り柄もなく、19歳まで自分の特技だと思えるものなど何もなく、落ちこぼれの烙印を押され
激しいストレスから中学で不登校、高校は早期に中退、その後は4年間も引きこもりになり
周囲からオマエほどダメな奴はいないと言われた。

何度か死にたいと思ったこともあるし、生まれてきたことは何かの間違いだったのではないかと本気で思ったこともあった。

そんな自分が、「教授」と呼ばれ、音楽業界で活躍している坂本龍一と同じアレンジの楽譜で同じものが弾けたかもしれない。

その時は飛び上がって喜んだものだった。本当に本当に嬉しかった。

それから僕は、3ケ月かけて一曲をマスターすることを目標とし、来る日も来る日も独学でピアノに向かうようになった。

ここから2年間、ひたすら坂本龍一の曲ばかりを独学で弾き続けることになる。

しかし、独学でいい加減な弾き方をしていたことに加え、無理な練習がたたり
『頚腕症候群』という病気にかかってしまい、鉛筆を持っても力が入らず、落としてしまうようになり
遂に整形外科の病院通いがはじまり、まともにピアノが弾けなくなってしまったことで

『人について習う』という新しい局面を迎えることになるのだが。。

これは次回にじっくり語ってみたい。

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編集後記

この当時を振り返ってみると、ピアノだけが唯一の心の支えだったんだなと回想します。
あれから13年経った今、ピアノ以外にもたくさんの楽しみを見つけ、人生の幅も広がりましたが、本当にあの時はピアノだけだった。

「自分もやればなんでもできるかもしれない」と本気で思った、人生最初の出来事でした。

今日のメルマガはどんな内容にしようか?と考えていたですが、うまくまとまらなさそうだったので
出先のクルマの中でノートを取り出し、今日書きたいことをセッセとノートに書きながら、当時のことを懐かしく思い出しておりました。

まだまだ書きたいことはたくさんありますので、これからもお付き合いをよろしくお願いいたします。

「大人からのピアノ人生」
http://homepage2.nifty.com/sonatas/
 加藤 ミノル

andras@mail.goo.ne.jp
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