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グルメの心理学


2008.03.03

全国有名寿司展に行ってみた


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             グルメの心理学
       
      ●第2号● 2008年3月3日発行 ● 
 
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■1 はじめに
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 新刊メルマガ「グルメの心理学」に登録いただきありがとうございます。

 このメルマガでは、3000軒のレストランを食べ歩いた精神科医で
グルメ評論家の樺沢紫苑が、三ツ星レストラン、高級寿司店から
ラーメン、カレーまで。全てを食べ尽くしながら、食文化、
そして食と人間、現代日本を徹底考察していくメルマガです。

 「普通の食べ歩きレポート」から、一歩踏み込んで、
「食」を通して、文化、社会を俯瞰するようなメルマガに
していきたいと思います。

 このメルマガでは、いろいろなタイプの文章が、ランダムに出現します。
 「ミシュラン三ツ星レストラン カンテサンス」続報も、近日中に
登場しますので、お楽しみに。

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■2 グルメ・コラム
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┌───────────┐
 寿司の本当の魅力とは・・・
└───────────┘ 

 先日、日本橋の三越に行ったら、たまたま

「全国有名寿司展」
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/sushi/

という催しをやっていました。

 全国30軒以上の寿司の名店が勢ぞろいして、
いろんなお寿司を食べられるという
寿司好きには、実にうれしい企画です。

 土曜日ということで、すごい人出です。

 これを見ると、日本人は「本当に寿司が好きなんだなあ」と
再確認します。

 実は、私もかなりの寿司好きです。
 
 どのくらい好きかというと、今まで寿司屋で食べた金額を合計すると
高級車が買えるくらいのレベルです。

 そんな私ですから、これだけたくさんの寿司屋が並ぶと、
どれもこれもおいしそうで目移りしてしまいます。

 30軒以上も出店している、といっても、ギャル曽根じゃないので
一人で食べられるのは、せいぜい2軒くらいでしょう。
 

 普通の「うまいもの展」であれば、3、4軒くらい買いこんで持ち帰っても
問題ないのですが、今回はお寿司ということで、日持ちもしないので
買いおきはできません。

 ということで、この中から2軒を選ぶしかありません。
 一体どうやって選べばいいんだ・・・。

 まず、会場全体をグルリと見て回ります。

 まず、そこであることに気付きました。
 店ごとに、二つのパターンに分かれることに・・・。

 「寿司」なので、その場で作って、作りたてを売っているわけですが、
40代、とか50代のベテラン職人が華麗な手さばきで握っている店もあれば、
かなり若い職人が握っている店もあります。

 年齢だけでは実力はわかりませんが、ある店は20代か30代
前半の若い職人を送り込んでいます。

 一流デパートの大イベント。
 これを、「店の宣伝の最大のチャンス」ととらえ、一級の職人を
投入している店。

 もう一方は、
 「しょせん デパートのイベント」だから、ということで、
若手の職人でいいや・・・みたいなところ。

 イベントに対する気合の入れ方が、完全に二極化している
ことに気づきました。

 割合的には、ベテラン職人が握っている店の方が多かったのですが、
若手職人が握っている店は、あまり食べたい気はしません。

 誰が握っているのか?
 これは、かなり重要なチェックポイントとなります。


 次は、寿司の「見た目」をチェックすることにします。

 「見るからにおいしそうな寿司」は、食べてもおいしいものです。

 「それほどおいしそうでもない寿司」が、食べてみると
「信じられないほどおいしい」ということは、まずありません。

 寿司に限らず全ての料理に言えることで、
「見るからにおいしそうな料理」は、実際に食べてもおいしものです。


 ということで、この30数軒の中から、若手職人が握っている
店は除外して、見た目が一番おいしそうな寿司を選んで買うことにしました。

 一軒一軒周到にチェックしたところ、
一番おいしそうに見えたのは、東京築地「寿司岩」です。

 この握り寿司が、とにかくおいしそうに見えました。
 トロが二貫入っていたし、子持ちコンブ、ハマグリといったマイナー
ではあるけども、私の大好きなネタが入っていたのも決め手となりました。

 せっかく、全国から30軒以上が集まっているのに、食べる気になれば
いつでも食べられる東京の店を選ぶのはどうか・・・という気持ちもありました
が、私がセレクトした中では、これが1番おいしそうだということで、
握り一折2,600円を購入しました。

 もう一店くらい買おうということで、物色を続けますが、
「コレだ」というのが、なかなかありません。

 鯖の棒寿司や押し鮨。チラシ寿司みたいのが、全体の3分の2ほどを
占めていて、この系統のお店は、私の家の近くの玉川高島屋の
「うまいもの展」にも出店しいる店も多く、
それほど魅力が感じられなかった・・・ということもあります。

 その中でピンと来たのは、「めはり寿司」です。

 みなさんは、「めはり寿司」を知っていますか?
 
 「桃太郎電鉄」、新宮の「めはり寿司」と言えば、
思い出す人も多いでしょう。

 昔、「桃太郎電鉄」をやっていて、この「めはり寿司」というのは、
どんな寿司なんだ? どんな味がするの? おいしいの?
とずっと疑問に思っていて、写真は見たことは
あったのですが、食べるチャンスは今までなかったので、
これはラッキーということで、ついつい「めはり寿司」を
買ってしまいました。


 さて、家に帰って、早速、買ったお寿司を楽しみます。

 予想通り、「寿司岩」のニギリはおいしかったです。
 ネタもいいし、シャリもいい。
 握りたてはもっとおいしいんだろうな・・・ということで、
今度は本店で食べたい、と思わせる寿司です。

 「めはり寿司」ですが、「これ寿司じゃないじゃん」と
思わず突っ込みをいれたくなります。

 めはり寿司とは、寿司飯、または白米を、高菜の漬物で巻いて握ったものです。
 要するに、海苔の代わりに高菜の漬物を使った「おにぎり」と
いうのがわかりやすいでしょうか。

「めはり寿司」の作り方
http://egoods.holy.jp/c/mehari.html


 気分はもう新宮。
 ということで、熊野地方まで旅行したような気分になりながら、
「めはり寿司」を食べました。

 非常に素朴な味で、スペシャルな時に食べるというよりも、
日常食というか、普段、普通に食べて普通においしい食べ物
なんだろうな・・・という感じのおいしさがあります。


 そんなわけで、家で「全国有名寿司展」のお寿司を楽しみました。
 味的には非常においしかったのですが、
でも何か物足りないんです。

 一体何が足りないんだろう?

 握りたて、作りたてじゃない。
 まあ、それもあるかもしれませんが、決定的に何かが違います。

 寿司というのは「味」は大切ですが、
カウンターで寿司職人の顔を見ながら、寿司職人の仕事ぶりをみながら、
そして寿司職人との会話をた楽しみながら食べるのがおいしいのです。

 それがない・・・という。

 実は、「全国有名寿司展」ではイートインのスペースもあったのですが、
寿司はついたての奥の方で職人が握って、店員さんがテーブルまで
運んでくるシステムだったのでパスしたのです。
 
 これでは寿司職人との会話も楽しめませんし、
どんな職人がどんか風に握っているか全く見えないというのは、
なんだか気持ち悪い感じすらしました。

 寿司職人と会話しながら寿司をつまむ。

 これこそが、寿司の重要な楽しみですし、
「寿司職人との会話」がお寿司の最大の「隠し味」なのではないか・・・と。

 そんなことを、今回の全国有名寿司展」で、再確認しました。



 食はコミュニケーションの源。
 
 これは、「グルメの心理学」のテーマです。


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