2008.05.23
グルメの心理学 人体実験!? 嗅覚を完全遮断するとどうなるか
グルメの心理学
●第7号● 2008年5月23日発行 ●
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■ 人体実験!? 嗅覚を完全遮断するとどうなるか
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味、香り、盛り付け。
料理をおいしいと感じるためには、いろいろな要素があると
思うが、最も重要なのは何だろうか?
ほとんどの人は、「味」と答えるに違いない。
今回、非常に貴重な体験をした。
というのは、5月20日に鼻の手術をしたのだ。
簡単な手術で、明日、退院するので、病状はご心配いただく必要はないが、
手術後から今日の午前中まで、鼻の中にガーゼをパンパンに詰められていた。
止血防止のために鼻の内側から圧迫する必要があったからだ。
鼻から息を全く吸うことができないので、大変な目に合った。
当然、鼻でにおいを嗅ぐこともできない状態になってしまった。
そう、「嗅覚」というものが、完全に遮断された状態に
なってしまったのだ。
これは、普通の人はまず体験することのない極めて特殊な
状況だと思う。
ご飯は、手術の翌日から食べていたが、所詮、病院のご飯だから、
まずくはないけど、すごくおいしいとも思わなかった。
昨日、手術から二日たち、痛みも収まり、少し食欲も出てきたので、
何か甘いものでも買おうと思って、売店に足を運んだ。
いろいろと物色して、「練乳アイス」を買ってきた。
よく食べなれた味で、アッサリとしている。
ちょうど、今、食べたい味だった。
さて、病室に帰って、早速「練乳アイス」を食べてみる。
「あれっ、おかしいぞ」
あんまりおいしくないのである。
ここ三日ほど、甘いものを全く口にしていなかったので、
普段以上においしく食べられると予想していだか、全く反対だった。
「練乳」の味。「ミルク」の味がしないのである。
厳密にいうと全くしないわけではないけど、アイス自体は、
「甘さ」だけが強烈で、ただ「甘いアイス」を食べているだけ
という感じなのである。
嗅覚が遮断されると、同じものを食べてもこんなにも、
おいしさがダウンするものか・・・と驚いた。
「練乳」の味。「ミルク」の味と思っていたのは、
味そのものではなく、「香り」「風味」だったわけだ。
「練乳」の「香り」「風味」があって、もともとの
「練乳」の味を何倍にも強化していたのだ。
料理は味だと思っていたが、「香り」「風味」が
遮断されるだけで、こんなにも違うとは・・・。
普段、我々が「味覚」と思って認識しているものの一部は、
実は「嗅覚」を使って認識していたわけだ。
あと、この「鼻栓」をされてから、よくわかったのが、
「香り」というのは鼻だけで感じるものではない、という
ことだ。
この「鼻栓」をすると喉からの「香り」みたいのが、
全く上がってこないのがわかる。
喉からの「香り」と言ってもわかりづらいが、
「蕎麦」の例を出せばわかりやすいだろう。
蕎麦を食べる時に楽しむ蕎麦の風味。
これは鼻ではなく、喉の奥から鼻腔の方へ流れる微妙な空気の
流れが、蕎麦の風味を伝えている。
これもまた「味覚」ではなく、「嗅覚」だったわけだ。
我々は普段、料理は口(舌)だけで味わっているかと思いきや、
そうではなくて、鼻や喉などの感覚も総動員して、
「香り」や「風味」を楽しんでいたというわけだ。
今回の手術。
この「鼻栓」が。、メチャつらかったけども、
料理における「香り」と「風味」の重要性を再認識することが
できたので、よしとしよう。
というか、そうとも考えないと、やっていられない(笑)。
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