2008.07.12
梢の手作りエッセイ 18号『今では作ってあげる人』
★☆★ 梢の手作りエッセイ 第18号 ★☆★
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コットン生地でバッグやお弁当袋などを作るお店です。
店を始めたいきさつや手作りの楽しさ、面白さ、作りながら思
うことなどを綴ります。
いつもは言えない苦労話もときどき……ね。
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『今では作ってあげる人』
前に『肩越しに手作りの良さを習う』という内容を書きました。
私の子供のころの話です。
あれから年月が経ち、祖母も母も年を取りました。祖母は今年
96歳になります。すでにかなり呆けてきて、時々内孫の私が誰
だか分らなくなります。それでも数年前まで元気で畑をしてい
たんですよ。
今では近くのデイサービスへ週に一度お風呂に行きます。朝、
職員さんが家まで迎えに来てくれます。何人かのお年寄りを乗
せてデイサービスへと向かいます。デイサービスではお風呂に
入れてくれるだけではなく、歌を歌ったり、椅子に座った状態
で手を動かすような運動もあるようです。
そして時々車で市内を走り、春には桜、梅雨時には紫陽花、秋
には紅葉狩りに連れて行ってくれます。お出かけ好きの祖母は
とても楽しく過ごしているようです。帰ってくると、
「今日は紫陽花を見してもらったが〜(みせてもらったの糸魚
川弁)」と上機嫌です。
家で一人寂しそうに過ごしていたから、デイサービスへ行くよ
うになってよかったとみんなが喜んでいます。
お風呂に入れてもらうには着替えやタオルが必要です。持ち物
に名前を書いて袋に入れて持たせます。その着替え入れを作り
ました。キルティング生地で、共布の持手をつけてバッグ状に
したものです。ブルーに桔梗の花柄プリントを祖母はとても気
に入ってくれました。
「この柄がいやんだ(いいんだの糸魚川弁)」
と何度も私に言いました。
うれしかったですね。子供のころから祖母からたくさん作って
もらったハンテンや袖なしを思い出しました。10代のころに、
祖母が作ってくれた袖なしをまだ着ている私です。祖母から作
ってもらったものはとても多く、バッグ1つじゃぁ恩返しにも
ならないのに、気に入ってデイサービス以外のお出かけにも持
っていくそうです。
「ありがとね、ばあちゃ」
母に言わせると、デイサービスに行くにもちゃんとした格好を
させないといけないそうで、新しいズボンのすそ上げや、上着
の丈直し、老眼鏡入れを作りました。私の手のかかった服を着
て、バッグを持ってデイサービスに通っている祖母です。
元気で長生きしてほしいと思います。
農家なので、家の仕事が忙しく、母も最近は手作りできないよ
うです。バッグやのれん、枕の側生地を母に代って作りました。
今度コタツ掛けを作ることになっています。
祖母や母のために作ることはうれしいながらも気を遣いますね。
子供の頃に作ってもらったという思いがあるからなのか、母が
人一倍真面目な性格で、手作りにもうるさいところがあるから
なのか、母の希望通りの物を作ることはまだできないんです。
もっと上手にならなくちゃね。
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