2008.09.08
第58号 ボークの宣告で・・・
みなさん、こんにちは。
「アマチュア審判、ハッスル奮闘記」の発行人、レイトンハウスです。
ご購読をお申し込みになられた方には深く感謝申し上げます。
このメールマガジンは私自身が毎週の審判活動の中で実際に経験したことをもとにまとめます。
「ボークの宣告で・・・」
先日、2塁審を務めました。
練習試合ではなく公式戦のリーグ戦ではあるのですが、チーム間の自主運営のリーグ戦で、自分以外はお父さん審判ばかりでした。
久しぶりの2塁審で、自分の課題の確認や動きの確認をすべて消化することができて有意義でした。
しかしながら、
自分以外はお父さん審判ということもあって、少々気負いすぎたきらい(気持ちの入れ込み過ぎ)がありました。
通常のテンションでは絶対に起こさないミスを犯してしまいました。詳細はまた後日、書きたいと思いますが、
やはり、審判は「普通」のテンションで臨まなくてはなりませんね。それを再確認してしまいました。
さて、
試合中盤にボークの宣告をしました。自分の場合、「ザッツ・ア・ボーク!」と大声で人差し指でポイントしながらコールします。
その投手はコールに驚き、投球動作を中断しました。この瞬間にボールデッドです。
ここで守備側の監督が自分のところにやって来ました。表情は不満そうでした。
自分は「どこがボークなのか?」という確認(抗議はできませんから)に来たものと思いました。
自分:「ボークの確認ですか?」
監督:「ボークならボークでいいんですが、投手が投球を中断してしまいますから、小さな声でコールすべきではありませんか?」
自分:「ボークのコールを小さくコールする意味がわかりませんが・・・。」
監督:「投手が投球して打者が打てばインプレーじゃないですか!投球を中断させないようにコールしてください。」
※打者が打ってボークよりもアドバンテージがあった場合、たとえば打者がホームランを打った場合にはボークよりもホームランが優先されます。
自分は守備側の監督が抗議する内容ではないと思いました。(笑)
監督はボークの判定に納得できないうっぷんがあったと思います。ただし抗議はできないので、自分のコールにツッコミを入れに来たと解しました。
自分:「了解しました。配慮いたしましょう。」
監督:「いや!そうではなくて、ルールとして決まってます。小さくコールすると!連盟に確認してください。」
自分:「そうですか。では、試合後にお話しましょう。試合を再開しますね。」
このようなやりとりがありました。
その抗議したチームは同じ県下ですが、地域によっては「ボーク」を小さくコールするように指導しているようです。
監督とは試合後にお話しました。自分の所属や立場をお話して、ボークコールの意義について意見交換をしました。(おだやかに笑顔で)
先方に自分の意見を納得していただいたかどうかはわかりませんが、
自分にとって、小さな声での「ボーク」宣告、勉強にはなりました。
小さな声での「ボーク」宣告、これは本当に選手目線での考え方ですね。正解・不正解でいえば、もちろん不正解ではないですが。
でも今の自分には何か違和感がありますね。
この件にも関連するのですが、
第3号で、「正解はどれ?(1)」で記載した内容で以下のものがありました。
(ここから)
以下の状況で、球審であるあなたはどのようなコールをしますか?
無死、走者1・2塁。打者が送りバントをした。
このとき、打球を処理しようとした捕手と1塁へ向かう打者が接触した。
捕手は体勢を立て直し、打者を1塁でアウトにした。
審判の方はご存知かと思いますが、この場合は本塁周辺のプレーなので、守備妨害も走塁妨害もなかったものとみなされます。
ですから、プレーのまま打者はアウトで、走者はそれぞれ次の塁に進みます。
公認野球規則7.09(j)【原注】、7.06(a)(参考)、7.08(b)(参考)
さて、この場面で球審であるあなたは、捕手と走者の接触後にどのようなコールをしますか?選択肢は以下の3つです。
1.「That's nothing!」とコールし、両手を大きく広げるジェスチャーをする。
2.「That's nothing!」とコールし、ジェスチャーはしない。
3.コールもジェスチャーもしない。(何もしない)
(ここまで)
すべてが正解としました。現在もその気持ちに変化はありません。
しかしながら自分に置き換えた時、審判たる自分は 1 の行動をとるように思います。
審判たる自分はなぜそこに立っているのか?これを冷静に考えたいと思うのです。
「大きな声でコールすると選手のプレーが止まってしまう。」
これって審判のせいですか?
審判の存在意義は判定することです。(当たり前ですが・・・。)
小さな声で遠慮しながら「ザッツ・ア・ボーク」とコールする自分を想像することができませんね。
「お便り」のコーナー
かねちゃんさんからお便りをいただきました。
(ここから)
レイトンハウスさん
今回のビデオ(録画画像)について少し個人的な意見を
最近ビデオ判定などが騒がれていますね。
メジャーもポール際のホームランについては球場によって採用を開始しました。
でもこの判定はあくまで「裁定」ではないんですよね。
事実の確認です。
ジャッジすることは「審判」が野球のルールとして残されています。
なぜだと思われます。
実は様々なスポーツで野球が自然に近い状態でプレーされていると思います。
具体的には革のボール、木のバット、革のグローブ。
水泳でも騒がれたように科学とスポーツは大きな関係にあります。
でも、いまだに野球だけはこの自然に近い形を維持しています。
*アマチュアでは軟式ボールやビヨンドバットがありますが最上位の野球は使っ
てませんよね。
この自然に近いスポーツだからジャッジは「人」を大切にしていると感じています。
機械ではなく人がジャッジするから楽しいとみんなが知っているんだと思います。
こんな野球であり続けて欲しいと願っています。それは面白いからです。
でも審判技術の向上も大切ですね。
メジャーでは投球判定をデータ化して球審の判定と比較するシステムが稼動して
います。
http://www.questec.com/q2001/index.htm
この比較により自分の欠点を明確にしてよりストライクゾーンの安定が図れるん
です。
科学はこうした分野で活躍することが望ましいです。
人が判定するから問題があるのではなく人が判定するから楽しいこともある。
その人は自分の能力を向上すべく努力しなければいけない。
何か今日は取り留めの無い話となってしまいました。
要は機会と審判のジャッジについて競争する必要はありません。
その場で即決しなければいけないのが野球のジャッジ。
良い審判と競争しましょう。
お互いに頑張りましょうね。
かねちゃん
(ここまで)
ありがとうございます。
前号で書いた「テレビカメラ」の件ですが、
先日、東京ドームで都市対抗野球を観戦したときにも感じました。
同席しましたから(爆)、お話しましたね。
一番近くで見ている自分の目を信じるしかないのですよね。
カメラでタイミングはわかったとしても、実際にスパイクがベースに接触したか否かは、最も近くで見ている当該審判にしかわからないですから。
テレビカメラを経験して、そして皆様から多くのアドバイスをいただいて、自分の中の変化を感じることができます。
ほんの少しだけかもしれませんが、スキルアップできたかもしれません。アドバイスいただいた皆様には感謝してもしきれません。
続いて、む ひさんからもお便りをいただきました。
(ここから)
いつもおせわになります。む__ひです。
いつもML発行ご苦労様です。
今回も面白く拝見いたしました。前回に続きメールさせていただきました。
野球にしろ、サッカーにしろ、テニスにしろ人間の判定する判断は、絶対に正確ではないですよね。
仕事が写真&映像関係上たくさんそういう場面や写真をみますが、
写真やビデオは嘘をつきません。
テレビカメラだから、きわどく見えるということは無いと思います。
言い切ってしまえば、人間の目のいかにいい加減なことか。。
逆にいうと人間の目は非常にすばらしいこともあります。
写真やビデオは拡大したり、スローで見たらはっきりと写っているものは写っています。
ましてやテレビカメラなんかいったい何方向から写しているのか?というくらい
あらゆる方向から写していて、一番わかりやすい映像を使っているから、なおさらです。
でも、、、
そういうものではないと思います。
いつもいつも際どいプレイばかりではありませんし、、、、、
先日テレビで見ましたが、メジャーリーグが来年からホームランに対してビデオ判定を導入するらしいです。
実際にはストライクやボールの機械判定もできているみたいですが、それは審判の技術向上にだけ使っていると聞いたことがあります。
ただ、その中で話が出ましたが、あるメジャーの試合で、
審判の判定と異なるだろうと思えるリプレイの映像が球場のスクリーンに何度も何度もある意味、嫌味のように流れたことがあったそうです。
その時に審判全員が
「文句があるなら勝手にあなた方で試合をやりなさい。」
とグラウンドを引き上げたことがあったそうです。
それから、微妙な判定の映像はあまりテレビやスクリーンでは流れなくなったという
話を聞きました。
そうそう、余談ですが、
テニスにはに「チャレンジ」というテレビ判定をするチャンスが1ゲームに2回あります。
でもそのチャレンジを使って判定があっていた場合は2回のうち後残りの1回もなくなる
そうです。(ペナルティですね。笑)
審判がいなくては試合は出来ません。
>でも野球は当然審判たる人間が判定するものです。自分の目を信じたいと思います。
レイトンハウスさんの判定なら、間違いないですよ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(ここまで)
ありがとうございます。
そうなんですよ。MLBでVTRの判定が導入されたんです。驚きました。
ホームランか否かの判定のみでの限定導入らしいですね。VTRの導入もここまでにしてほしいですね。
>レイトンハウスさんの判定なら、間違いないですよ。
何とお返事してよいやら、困ってしまいますね。(笑)
しかしながら、誰からも信頼される審判になりたいです。
TKさんからもお便りをいただきました。
(ここから)
レイトンハウス 様
毎回いろいろなヒントを頂き、感謝しております。
野球の場合、写真判定・TVでの検証ついてカメラマンの撮影場所やTVの位置等
から全てのプレイ(一部は可能)への適用には限界があると思います。
審判は、最も良い場所で判定しますのでお互い自信をもって対応したいですね。
貴兄が指摘された “自分は「協議」に関しては、否定的なんです。審判の役割は
「判定」することであり「協議」するものではありませんから・・” について
全く同感で異存ありません。
唯、今回の事例(ボーク)については、「球審」と「塁審」が裁定に関して
同等の権限を持っており、その裁定が異なりました。
選手や監督・コーチ等の信頼を損なわないためにも、極めて異例ですが
審判団(4名)としてプレイを検証・確認して最終的な裁定をしたとのステップを
踏んだほうが良かったのかな? と言う意見です。
TK
(ここまで)
ありがとうございます。
>全く同感で異存ありません。
すごくうれしいお言葉です。
56号で記載した状況は、
ある意味でダブルコール状態ですので、
たしかに4人があつまって「協議」したのち最終的な裁定をくだすべきでした。
もう二度と同じ失敗はしませんよ。(キッパリ)
今日はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。
投稿は大歓迎です。審判員の方の体験談や審判に関するエッセーなどがございましたら、
そのまま返信してくださいませ。私に届きます。
では、次号でお会いしましょう。さようなら。
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