2008.05.30
平野貞夫のCMF政治塾 第12号 2008年5月30日
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平野貞夫のCMF政治塾 第12号 2008年5月30日発行
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□□□□ 筆者 : 土佐南学会塾長 平野貞夫
□□□□□□□ 発行 : CMF国際財団
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『参議院のあり方』
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5月21日(水)、民主党を中心に、参院議員66人でつくっている“参議院のあ
り方に関する勉強会”に招かれ、「ねじれ国会」といわれる中で頑張っている人
たちに、率直な話をしてきた。今回はその時の内容をテーマとしよう。
私に期待したのは、形だけの理屈でなく衆院事務局と参院議員そして引退後の政
治評論を併わすと約50年間、政治にかかわった体験を話すことであった。挨拶
で、私は6月下旬に講談社+α新書から『国会崩壊』を刊行することを紹介し、
崩壊のプロセスと問題点、そして崩壊させた主犯は誰かを本の内容としていると
説明。そして、昨年の参院選挙で民主党を中心に野党が圧倒的多数となった結果、
「ねじれ国会」となり、官僚の税金ムダ使いなどを野党が指摘し、民意を国政に
生かす民主政治の再生、「国会崩壊」の回復が期待されると述べておいた。
さて、私が最初に出した問題は「いまの日本に民主政治はあるのか」であった。
昭和50年代後半から、日本ではデモクラシーを担保する仕組がなくなり、平成
12年の森自公保政権以来、民主政治とはほど遠い事態となった。その結果が、
道路族の復活であり、姥捨山といわれる後期高齢者医療制度の強行実施である。
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『参議院の良識』
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民主政治が機能しない国で、第二院・参議院は何をすべきか。民主政治の回復で
ある。普通のやり方ではできないことだ。そこで、これまでいわれてきた「参議
院の良識」という言葉を反省して、見直すことだ。昭和20年代、確かに参議院
には、良識ある議員が多く「緑風会」という会派を中心に、日本の民主政治を担
保する役割を果していた。ところが、昭和30年代になって、参議院が政党化と
利害関係化して、それまでの「良識」さは姿を消した。従って、現在「参議院の
良識」ということを主張するのは、政府与党から「あんまりいじめないで」とい
う意味しかない。いまの参議院は、野党多数という状況で、形だけの良識論を捨
て新しい役割を創るべきだと思う。それは、日本に真の民主政治を創ることであ
る。それが、新しい良識の創造につながると思う。
そのため、憲法や国会法にある野党の権利を、フル活動させて自公官僚政治の問
題点を国民の前に明らかにすべきである。ところが、最近の国会議員の多くは、
憲法などの議事法規、国会運営のルールについて、正当な理解をしていないのが
残念である。学校の偏差値の高い国会議員たちは、国会法規を裁判所や行政の手
続としか考えていない。たしかに手続法の部分もある。国会の基本は議員やその
集団(会派・政党)が繰り広げる権力闘争である。そのため議員や委員長、議長
そして機関のもつ権限などの解釈や運用は、単純な手続でなく、戦時国際法のよ
うな性格をもっている。こういうことで争いが起っても、裁判所は「統治行為」
として、司法判断をしない。政治の力と智恵で処理していく性格のものである。
このことをきちんと理解しておくべきである。国会議員の多くが理解していない
ことに、憲法手続と憲法原理の問題がある。例えば、福田内閣が3回も続けた
「再議決」だが、自公政権の連中は、憲法第 59 条に手続として規定されている
から何ら問題はない。と口を揃えているが、果してそうであろうか。
憲法の手続は、「法律案は、…両議院で可決したとき法律となる」(第59条第
1項)と規定している。この手続は悪用も乱用もできる。強行採決によって憲法
を成立させた歴史は記憶に残っているはずだ。憲法に手続があるからといって、
正当性はない。合法であって正当性がなければ、民主政治とはいえない。国民が
どう判断するかが問題である。(続く)
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