2008.06.06
平野貞夫のCMF政治塾 第13号 2008年6月6日
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平野貞夫のCMF政治塾 第13号 2008年6月6日発行
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□□□□ 筆者 : 土佐南学会塾長 平野貞夫
□□□□□□□ 発行 : CMF国際財団
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『続・参議院のあり方』
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憲法の原理は、民主政治の原理である。そして国民主権という原理である。さら
に民意といえる。しかし、民意とは固定されたものでなく変化する。その変化に
法則はない。理屈はこの程度にして、具体的な話をしよう。
仮に憲法59条の「再議決」の手続を行使する場合、正当性が認められるには、
どんな条件が必要であろうか。どんな法案であっても、国民の過半数の支持がな
ければ、正当性はないといえる。出来れば3分の2以上の支持が望ましいが、現
実の政治で私はそこまで要求しない。福田内閣が今年になって、立て続けに行っ
た「再議決」は、いずれもこれらの条件を整えていなかった。正当性はなかった。
「新テロ法」はマスコミ各社の世論調査で60%が反対であった。「ガソリン暫
定税率法」や「道路財源特例法」に至っては70%以上の反対であった。こんな
ことを憲法の手続として強行していると、福田内閣は「ねじ切れ」てしまう。連
休中に行われた各社の世論調査で、内閣支持率がガタ落ちになり、民主党の支持
率が自民党支持を、ほとんどの調査で上まわることになったのは、この強行政治
によるものだ。これでは参議院はなんのためにあるのか、ということになる。
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『民主政治の再生』
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前回でも指摘したように「いまの日本には本当の民主政治はない」とすると、参
議院のやるべきことは、まず「民主政治の再生」である。これはなかなかに難し
いことだが、明らかな憲法や民主政治の原理に対する違反に対して、国民にわか
りやすく、参議院の野党は説明すべきだ。どうもそれが十分でない。与党に抵抗
することも必要だろうが、何のためという説明が大事だ。
参議院の役割のポイントは、6年の任期を活用すべきことである。何時、解散が
あるかもわからない衆議院議員に比べて安定している。これは、日本の中期的将
来のあり方を議論するにもっとも適しているといえる。しかし、参議院で「日本
民主政治の再生」を論じるといっても簡単にできることではない。制度や仕組み
をつくるのに国会法の改正なども必要となろう。そこで、法制度などの改正を行
わず、参議院の意思だけでできることがある。さまざまな日本社会の基本問題に
ついて、国民と対話のできる仕組みを提案したい。「憲法オンブズマン」という
制度を、参議院に設けることだ。これは憲法や国会法を改正する必要はない。参
議院の本会議で議決すればよいことだ。参議院独自の機関とすればよい。
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『憲法オンブズマンの設置』
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私は、いまの日本でもっとも問題なことは、政界はじめ行政、経済、教育、宗教、
マスコミなどあらゆる場所で行われている憲法や民主主義の原理、ひいては人間
のあり方についての冒涜行為である。これによる日本社会の混迷は、きわめて深
刻である。後期高齢者医療問題を取り上げても、いかに高齢者の人権を冒涜して
いるかわかろう。毎日のように発生している人道をはずれた異常犯罪。さらにマ
スコミや宗教団体の異常な行動。
こういったことを、国民から「憲法オンブズマン」に、持ち込んでもらい、人間
・憲法・民主政治の根本原理からみて、どうすべきか。これを議論すればよい。
善悪の結論を出す必要はない。実態を数量的に、また質的に整理して政治や行政、
教育や社会活動の参考とすればよい。この「憲法オンブズマン」は、参議院の各
会派を代表する人材で構成し、民間の有識者もオブザーバーとして参加してもら
えばよい。いまの国会の欠点は、法律違反とか公約違反といったことについて、
議論はするが、人間や政治のあり方根本についての議論が少ない。
参議院が現時点で、これまでと異なった活動で、その存在を示すとすれば、「憲
法オンブズマン」の設置である。
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