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平野貞夫のCMF政治塾


2008.06.20

平野貞夫のCMF政治塾 第15号 2008年6月20日


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 平野貞夫のCMF政治塾     第15号  2008年6月20日発行
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□□□□□□□       発行 : CMF国際財団
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『ねじれ国会で再生した「国会崩壊」』
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6月の末、講談社プラスα新書で『国会崩壊』を出版することになった。森・小
泉自公政権が、国会を崩壊させた実態を具体的に記述するとともに、その遠因に
もふれ日本の政治文化の特長を論じておいた。ぜひご購読をお願いする。

『国会崩壊』(講談社プラスα新書)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2725053

ところで、昨年7月の参院選挙で民主党を中心とする野党が圧勝し、10年ぶり
で「ねじれ国会」となった。自公政権はこれで「政治が混迷し」「行政が停滞す
る」と騒ぎ立てた。問題は、政権担当者が議会政治をどう考えるかにつきる。

「ねじれ国会」とは、参院選挙で示された民意をどう認識するかにある。福田自
公政権は、平成17年9月の小泉郵政解散で得た衆院3分の2の議席を、絶対の
民意という立場である。この小泉郵政解散・総選挙が、いかに民主政治を冒涜し、
憲法の原理を無視したものであったか、何回も指摘しておいた。たしかに、衆院
に自公は3分の2という数を持っているが、それをもって憲法にある「参院が異
なった議決をした場合」の再議決を、機械的に出来るものではない。何故なら、
昨年の参院選挙での野党圧勝は、「衆院での再議決」や「衆院の与党暴走」にス
トップをかける意味があるからだ。仮に「再議決」を行うなら、国民の支持が大
多数ある法案でなければ、やってはならない。

ところが、福田内閣は「新テロ法」「ガソリン暫定税率法」「道路財源特例法」
と3回もたて続けに、衆院で再議決した。福田首相は「ねじれ国会への対処だ」
といったが、国会を崩壊させたことを認識していない。福田政権はねじ切れそう
になっている。



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『問責決議』
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この国会で野党は参院多数を力に、よく頑張った。道路財源、年金、後期高齢者
医療問題をはじめ、これまで官僚が隠していた悪い行政のもとである資料や情報
を、国民の前に引き出した。国民はこれまでの自民・公明政治の問題点を具体的
に知ることができた。民意は変化し、その結果が山口二区の補選であり、沖縄県
議選での野党の勝利である。政権を交代させるのが、国民の生活を向上させる前
提だという流れができたといえる。

いよいよ国会会期末、政府与党は六日間の会期延長を行うことを決めた。野党は
民主党を中心に、参院で「福田首相問責決議案」を6月11日提出し、同日に可
決した。参院での首相問責決議をめぐって、国会は緊迫した。
この問責決議の意味について考えてみよう。 



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『憲政の常道』
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衆院の内閣不信任決議案が、憲法69条にもとづいて可決されたとき、内閣は総
辞職か衆院の解散を義務づけられている。これに比べ参院の首相問責決議は、憲
法上の効果を生じるものではない。どんな効果かといえば、政治的効果である。 
問題は問責決議を国民の大多数が支持し、福田首相に政治責任があるとなった場
合、どうなるかということだ。

今回の首相問責決議の理由は、消えた年金、ガソリン暫定税率を中心とする道路
財源、後期高齢者医療問題等々で、国民の不信を著しく受けたこと。さらに三度
にわたって、国民の大多数が反対する重要法案を、衆院で再議決した国民主権に
反する政治運営に対する抗議である。

福田首相の退陣や衆院解散の民意は山口二区の補選や沖縄県議選で明確となった。
福田首相の失政と政治運営に対して、総合して、政権を担当する資格なしとして、
野党が問責決議を行うことは 「憲政の常道」からいって、当然のことである。
政府与党は、法的根拠のない問責決議で国会を紛糾させることは、よくないと批
判しているが、これは間違っている。

この国会を総括して言いたいことは、政治は法令よってだけ動くものではない。 
「憲政の常道」という国民の常識によって動くことが原点である。これを忘れて
はならない。 



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