2008.05.05
遺言書作成倶楽部 第4号 今回は公正証書遺言について解説します
公正証書遺言は費用がかかり、多少手続きが面倒です。
しかし普通方式の遺言の中では最も安全な方法でもあります。
公正証書遺言は、遺言書の紛失、変造の危険がありません。
また、法律の専門家である公証人が作成するので、方式違反による無効のおそれがなくなります。
相続財産の価額が多く、時間的に余裕がある場合には、この公正証書遺言が最も適しています。
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〜公正証書遺言作成の手続き〜
公正証書遺言の作成方法は、証人2人以上の立会いのもとで遺言の内容を公証人に口述することによります。
代理人による口述は認められません。
遺言者が口をきけない者の場合は、手話通訳等による申述または自書により公証人に伝えることになります。
公証人がこれを筆記し、これを遺言者、証人に読み聞かせます。
遺言者が耳が聞こえない者である場合には、公証人は手話通訳等または閲覧により内容の正確性を確認します。
遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自がこれに署名、押印します。
さらに公証人が、その遺言証書が民法に定められた方式に従って作成されたものであることを付記して、これに署名押印します。
証人には未成年者や配偶者、4親等内の親族、使用人などはなることができません。
また、推定相続人や受遺者、およびその配偶者や直系血族もダメです。
つまり遺言書に何らかの利害関係を持っている者は証人にはなれません。
なお、遺言書作成中、証人は終始立ち会っていなければなりません。
証人を依頼する際には、十分に時間を空けておいてもらう必要があります。
また、証人には信用できる人を選ぶべきです。
職務上守秘義務を負っている弁護士や行政書士、司法書士などの法律家に証人になってもらうのが安全でしょう。
実際の公証人とのやりとり、文言の作成については法律の専門知識が必要になる場合があります。
事前に弁護士、行政書士等の専門家に相談するのがよいでしょう。
〜費用について〜
公正証書遺言を作成する場合、公証人に手数料を払う必要があります。
手数料は相続の目的物の価額に応じて次のように定められています。(平成20年5月現在)
目的物の価額 手数料
100万円まで 5000円
200万円まで 7000円
500万円まで 11000円
1000万円まで 11000円
3000万円まで 23000円
5000万円まで 29000円
1億円まで 43000円
1億円を超えて3億円以下の場合には、5000万円増えるごとに13000円が加算。
3億円を超えて10億円以下の場合は、5000万円増えるごとに11000円が加算。
10億円を超える場合には、5000万円ごとに8000円が加算されます。
なお、上記手数料は、相続人及び受遺者1人あたりの手数料です。
複数の者に相続させる場合には、全員分の手数料が必要になります。
例えば1億円の財産を5000万円ずつ2人に相続させる場合、43000円ではなく、29000円×2=58000円となります。
〜公正証書遺言作成に際して用意しなければならないもの〜
・遺言者の実印及び印鑑証明
・相続人の戸籍謄本及び住民票
・各証人の住民票及び認印
・不動産登記謄本及び固定資産税評価証明書
・預金通帳及び株券の写し
・公証人手数料
〜公正証書遺言のメリット〜
・公証人が作成してくれるので、形式不備で無効になることがない
・原本を公証人が保管するので紛失、偽造のおそれがない
・文字が書けなくても遺言できる
・検認手続が不要
〜公正証書遺言のデメリット〜
・遺言書の存在と内容を秘密にしておけない
・証人を2人以上用意しなければならない
・用意しなければならない書類が多く、手続きも複雑である
・費用がかかる
などが考えられます。
============今号の特集===========
〜遺言の撤回〜
遺言者は、いつでも遺言を撤回することができます。
撤回するには、必ずしも同一の方式によらなくても構いません。
例えば、公正証書遺言であっても、自筆証書遺言で撤回することも可能です。
しかし、自筆証書で撤回を行った場合、撤回が真意でなされたか否か、争いが生じる可能性があります。
時間的余裕があれば、公正証書遺言によって撤回するのが安全でしょう。
なお遺言者は、遺言を撤回する権利を放棄することができません。
また以下のような場合は遺言が撤回されたとみなされます。
これを法定撤回といいます。
民法では法定撤回が認められる場合として、2つの場合を規定しています。
法定撤回1
複数の遺言が存在し、日付の新しい遺言が古い遺言の内容と食い違うときに、その食い違う部分。
法定撤回2
遺言者が遺言書、または遺贈の目的物を故意に破棄したとき。
くれぐれも遺言書と相続財産の管理には注意してください。
次号では秘密証書遺言について解説します。
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