まぐまぐメルマガアーカイブ

澪温泉物語


2008.05.26

澪温泉物語               貝原 潤


メルマガトップ(記事一覧)へ
| 最新号 |

205号室に着くと同時に、フランシスコ先生の声がマイクをとうして響き渡る。
“Good morning every body.  It’s seven o’clock. (おはよう皆さん、7時です
よ)”
それから音楽が鳴り始めた。
“さあ、起きて顔を洗って、歯磨きして、制服に着替えなんたい。”
すでに制服に着替えていた山隅が皆を促した。山田と洋一は体操服から制服に着替え
る。
火の国学園の制服は、ネクタイをしたブレザー型の制服だ。ネクタイの結び方を習って
はいたが、洋一も磐田も藤家もうまくできない。梶原、山隅、山田がそれぞれ一人ずつ
指導する。
“点呼!!”
白鷺の声が響き渡る。
201号
“異常なし”
ずっと進んで行ったら、211号の新入生がネクタイを結びながら出てきた。でてきたのを
確かめて、室長が、
“211号、異常なし”
と答えた。点呼の最中その新入生はネクタイと格闘していた。他は異常なかった。
フランシスコ先生が話す。
“おはようございます。島田寮の新入生の人はさみしがった人が多かったようですが、
こちらの2階は皆よく眠れたようですね。”
“中には早起きして、運動した人もいるようです。2年生、3年生は面倒をよく見てやっ
てください。”
と外国人なまりで話す。
白鷺は、
“準備ができたものから朝食を取りに行くように。8時15分までには教室に入るよう
に。”
と言って、解散となった。
山隅はすぐに食事に行った。
山田は、
“今日は4人で、食事に行こう。明日からは準備ができたもんから各々で食事に行くとよ
か。”
すると藤家は、
“俺は一人でよか。”
と言って1階へ降りて行った。
梶原は、
“俺はもうちょっとして、すいてからいくけんが、3人で行ってくれ。”
と言ったので、山田、磐田、洋一と1階の食堂へと言った。
食堂では2年生が新入生にいろいろ教えながら、食事の準備をしていて、前に行って、寮
のおばさんから、味噌汁、ご飯などをついでもらっていた。3年生は各々固まったり、ば
らばらに食べていたが、ほとんど新入生の世話はしていなかった。2年生が1年生の面倒
を見るのが暗黙の了解になっているみたいだった。
“おお、山田よう寝られたや?”
7人の新入生をひきつれて小島がやってきた。
“こいつらが昨日泣きよるけん、あんまし眠れんかった。”
”どうもすいません。“
昨日の説教がまだ聞いているのか、7人が一斉に頭を下げる。
“俺、磐田いうねん、よろしくな。新入生や!”
“あっ僕は、粕谷と言います。”
”田中です。“゛緑山です。”
“大塚です。”“葉山です。”
“片岡です。”“田山です。”“大森です。”
“俺は山田や。小島と同じく2年生や。バスケットボール部だけん、もし入りたかもんが
おったら俺に言うちくれ。”
と言ったあと食事の準備をして、食べ始めた。
緑山が聞いた。
“山田さん、バスケットボール部は、例年何人くらいはいっとですか?”
“うーん。去年は13人入ったが、6人辞めた。”
“何で辞めたつですか?”
“うーん。練習がきつかけんかなあ。”
山田は正直に話す。粕谷はそれを聞いて、
゛バスケットは止めとこうかな。“
と思った。
食事が終わり、部屋に帰って本日の入学式の用意をして、磐田と粕谷は連れ立って学校
へと出かけた。学校と言っても小崎寮からは、コンクリートの渡り廊下でつながってい
る。
連絡版にクラス分けが書いてあった。A,B,Cと3組に分かれていた。藤家も磐田も同じBク
ラスだった。そのまま、指示どうり、体育館にはいいって行った。あいうえおの氏名順
に並んだ。洋一の両親は、昨日は車で送ってくれたが、旅館が忙しいので、本日は来て
いなかった。体育館で入学式が高校1年生とともに行われた。高校生も、中学からの持ち
上がりの生徒は入学式に出席せず、高校から火の国学園に入学した生徒だけが出席して
いた。オルテガ校長の後にレオナルド神父様の御祈りがあった。この学園は、カトリッ
クで毎日朝御祈りの時間がある。
“こうして皆が集まってくれたのも神のみちびきがあってこそです。お祈りをいたしま
しょう。
父と子と聖霊と御名によりてアーメン。天にまします我らの父よ、願わくは御名の尊ま
れん事を、御国の来らんことを、御旨の天に行われるごとく、地にも行われんことを。
われらの日常の糧を、本日我らに与えたまえ、我らが人を許すごとく、我らの罪を許し
たまえ。われらを試みにひきたまわざれ、我らを悪より救い給え。 アーメン。“
午前中の入学式の後、新入生の多くは、体育館で親と一緒に食事をとった。洋一は寮の
食堂に行くと、磐田も藤家も食事をしていた。
“磐田君も両親来られてないの?”
“健か磐田でええよ!先輩もほとんど君ずけなんかしてへんやないか?熊本はおばあち
ゃんがおるだけやさかいな。”
2人ほど離れて食べていた藤家を目で追うと、
“俺はこんでええと言ったんや。俺をそんな目で見るな!”
と言った。そこで、藤家は無視して、磐田としゃべっていた。
午後からはオリエンテーションとクラブ紹介があった。その後、各クラブに新入生が付
いていった。磐田は当然サッカー部についていった。洋一は一人寮に戻ってきた。

  ----------------------------------------------------------------------
  澪温泉物語
    発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
    配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000263881.html 
  ----------------------------------------------------------------------


メルマガトップ(記事一覧)へ
| 最新号 |

このページのURL
友達にメールで教える
まぐまぐアーカイブ検索

Web Services by Yahoo! JAPAN

アート・文芸ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ

姉妹サイト
携帯メルマガ:ミニまぐ
ニュース・芸能:いつもば
ショッピング:まぐギャザ
簡単レシピ:3分クッキング
無料RPG:もりもりクエスト
クサイせりふジェネレータ
まぐまぐ自費出版

(C)まぐまぐ