2008.06.19
【書店塾便り】 vol.44
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【書店塾便り】 vol.44 2008.06.19
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おはようございます、【書店塾】塾長のMです。
今日のテーマは、「書店の感度」です。
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先日久しぶりに街に出て、いくつかの大手書店を回ってみました。
感じたことは書店としての感度というか感受性が鈍くなっているのでは
ないかということでした。大型店は商品はありますが、見せ方が下手な
所が多い。
例えば、今「蟹工船」(新潮文庫)が売れています。新聞各紙でも取り
上げられていますのでご存知とは思います。これは1929年に発表された
小林多喜二のプロレタリアート文学の傑作と言われた作品で、文学史に
出てくるような作品です。なぜ今になってこれが売れているのかといえば、
非正規社員や派遣社員、ワーキングプアという問題が、何十年も前の
「蟹工船」の世界とダブってくるからです。自分達の境遇に重ね併せて
読んでいるのかも知れません。新潮文庫もありますし、イーストプレスや
漫画文庫もあります。先日の新聞では5万部の重版が掛かっているとのこと。
商品の平積みやPOPはもちろんですが、非正社員・派遣社員などの
社会問題に対応したコーナーがタイムリーに展開できているかどうか。
「おつまみ横丁」が売れているようですが、婦人書売場に平積みする
だけではもったいない。昨日M書店のFC店に寄ってみましたが、見事な
コーナー展開をしていました。入口のイベント台の棚3段と平台を使って
コーナー作りをしていました。1段分はまるまるディスプレイです。
お銚子とおちょこ、お盆の上に作り物のおつまみ、箸と箸置き、紙で
作った居酒屋ののれん、しかも本の表紙に合わせた木目調の背景と
目立つPOP。久しぶりにコーナーらしいコーナーを見ました。この店は
「夢をかなえるゾウ」が今のようにベストセラーになる前にコーナー
展開をしていました。感度の鋭い担当者が居るようです。
その水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」はベストセラーですが、同じ
著者の新刊「雨の日も晴れ男」は並列販売していますか?同じように、
和田竜さんの「のぼうの城」はあちこちで絶賛されて売れていますが、
新刊の「忍びの国」を並列販売しているでしょうか?読んで面白かった
本は同じ著者の他の本も読んでみたいと思うものです。新刊が出たら
並列販売するなどということは書店の基本だと思いますが、意外に出来て
いないのが現状です。
勝間和代さんはビジネス書では今一番旬の人です。これでもかという
くらい次々と新刊が出ています。一昨日の朝日新聞の全面広告で
「勝間さんと書店探検隊」という広告が出ていました。月100冊15万円分
の本を買うとあり、本屋に週に2〜3回行くのが楽しい云々とありました。
勝間さんの本は、ビジネス書の奥で面陳しているだけではないでしょうか。
入口のイベント台で展開していますか?
「経済は感情で動く」は随分新聞やネットで紹介されています。
ベスト10にも入っていますし売れているようです。ただ、紀伊国屋書店
発行の本なので、買切だからと二の足を踏んでいる書店が多いのかも
知れません。が、1冊も無いというのでは情けない話です。
新書ブームが続いています。先週日曜日の日経新聞のエコ探偵団でこの
新書ブームを取り上げていました。しばらくつづきそうですし、定着
した感があります。それなのに、今の新書売場の位置は妥当でしょうか?
店の奥に昔の棚数のまま置いていませんか。どうして前の方に持って
こないのか、売場を広げて面陳を増やさないのか、誠に不思議です。
実行力の問題です。機を見て敏ならざる者でしょうか。
以上は見たまま思いつくままの事柄ですが、業界を離れて2年も経つ
私でさえ気付くのです。私には「日販速報」も無ければ「トーハン週報」
もありませんし、業界紙を読む機会もありません。新聞を読んでいる
だけです。朝日と日経と地元紙の本の広告や書評、文化欄に目を通して
いるだけです。ネットとブログは見ていますが、あとは実際に書店を
見に行くだけです。
こういうことはアンテナをちょっと高く張っていればキャッチできる
ことです。ただ、気付くことと実行することは別です。見たこと、
聞いた事、知ったことはやった事ではありません。どんなにいい事も
知っているだけでは何にもなりません。実際にやった事だけがやった
事なのです。書店の感度を高め、実際の売場に活かして欲しいと思う
のです。
ただ本を並べるだけではつまらない。情報を活かして商品を選択し、
それを目立たせPRし、コーナー展開していく、それが書店の仕事の
面白さだと思います。版元の作ったセットをただ並べるだけの
ブックフェアでは面白くないと思うのです。コーナー作りでも手作りの
ブックフェアでもいい、自分で企画して仕掛けて売る、店長はそういう
面白さを社員に教えて欲しいのです。それが仕事の面白さに繋がって
いきますし、売上にも繋がっていきます。
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【書店塾便り】
発行者:【書店塾】塾長
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